Image: NAMINORI JAPAN Channel(YouTube)

パリ五輪直後の五十嵐カノアに大野修聖コーチがインタビュー

日本代表の中で唯一2大会連続で五輪に出場した五十嵐カノア。
東京五輪での銀メダル獲得というプレッシャーも背負いながら挑んだパリでは9位タイに終わった。

その五十嵐カノアに日本代表のコーチを務めた大野修聖がインタビューした動画が「NAMINORI JAPAN Channel」で公開。
今回のパリ五輪ではイベント前の舞台裏から直前の気持ち、イベント中も短いながら舞台裏動画を連日配信。
日本代表がより身近に感じられる内容だった。

パリ五輪直後に収録されたカノアのインタビューは約20分にも渡り、日本語で行われている。
冒頭は東京五輪との違いから、新たな学び、経験について語り、コンペティションに重要なプレッシャーの話に続いた。

日本人の両親を持つカノアは100%日本人だが、アメリカで生まれ育ったという環境の違いがある。
その環境の違いがこれまで達成できなかった日本人のCT選手誕生に関係したという話も良く聞くことだ。

Photo: ISA/Pablo Jimenez

インタビュアーの大野修聖自身、世界の舞台で戦い続け、今の日本代表のパイオニア的存在である。

その環境の違いについて、カノアは言い訳だと話す。

「自分の血は100%日本人だから、それ以外はどこで生まれたとか、どこでサーフィンを始めたとか、それはもう関係ない。血は日本人はみんな繋がっている。その中で言い訳するのは簡単。カノアはカリフォルニアの良い波で練習したから、もしかしたら成長できたのかなとか。そんなことは自分でコントロールできること。自分で日本でも良い波は探せるだろうし、どこでも行けるし。練習したかったら、絶対練習はできる。ということだと思うんだけど。自分に厳しくすることが大切だと思うし、絶対に自分は間違っていないと思う時でも、自分に厳しい様にする。この日良く寝れなかったから負けたとか、この日のジャッジが好きじゃないから負けたとか。そしたら、簡単に終わっちゃうじゃん。でも、チャンピオンの考え方は、なにをやればジャッジが好きなサーフィンができるのか、なにをやれば体をもっと大きくなれるかとか。日本人だから体が小さいとか良く聞く。僕も日本人の身体だけど、ちゃんと筋トレして努力している。CTに入った時は68kgくらいで、今はもう83kgくらいまでこれた。途中、絶対に80kgなんていかないなと思ったけど、80kg超えたし、そうやって色々努力することが良いことで、それが自分に厳しくすることが大切ってことかな」

Photo: ISA/Tim Mckenna

サーフィンは好きだから努力できる。
努力しているから好きになる。

今はサーフィンを毎日することがライフスタイルで、止めることは考えたことはないが、その反面でいつかサーフィンに飽きるのかな?止める時が来るのかな?とも考えると話している。

今の目標は世界チャンピオン、金メダル。
次の日本人選手を育てるチャレンジを試したいとも思っているそうだ。

「日本の若い子の両親に伝えたいことは?」との問いには、「世界を回ることが大切だと思う。世界を回って英語を勉強する。それは一生、サーフィンじゃなくても繋がっていくから…。」と答えていた。

多くのサーフィンファンは五十嵐カノアの華やかな部分しか見ていないが、裏には想像もできないほどの努力がある。
そして、小さい頃からの経験と苦労が積み重なって世界最高の舞台で戦うまで成長できたのだとこのインタビューを聞いて感じる。

五十嵐カノアが次に出場するCT最終戦『Corona Fiji Pro』は8月20日から開幕。
次のオリンピックまではワールドタイトル獲得にフォーカスすることになる。

(空海)

▼パリ五輪サーフィン特設ページ

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