WSLがポルトガルのヴァスコ・リベイロの出場停止処分を一時解除するも、直前で撤回する異例の事態が発生した。
現在30歳のヴァスコは、2014年にポルトガル人として初のWJCタイトルを獲得。
2015年のCTポルトガル戦にワイルドカード出場して3位という大きな結果を残し、その後もポルトガル戦のワイルドカードの常連となり、国内リーグでは5度も優勝するなど、ポルトガルを代表するトップアスリートとして活躍してきた。
しかし、2022年4月にISA(国際サーフィン連盟)のドーピング検査を拒否したため、2023年から3年間、2026年7月までの出場停止処分を受けることとなった。
この処分は、ISAやWSLのイベントだけでなく、ポルトガルサーフィン連盟(FPS)が管轄するLiga MEOなどの大会にも適用される厳しいものだった。
そんな中、ヴァスコは2025年2月にモロッコで開催されるQS3,000『Pro Taghazout Bay』への出場を目指し準備を進めていた。
オリンピック出場資格には関係のないQSイベントであることから、ISAが免除に同意し、WSLからも出場の承認を得た。
しかし、ISAからの追加指示を受けたWSLが直前になって決定を撤回し、リベイロは大会への出場を認められなかったのだ。
WSLは今回の決定が急であったことを考慮し、リベイロのイベント登録費用や渡航費を負担するとしているが、競技復帰に向けて意欲を高めていたヴァスコにとって、この突然の判断は大きな打撃となるだろう。
“残念ながら、今日は期待していたニュースをお届けすることができない。
WSLから正式に競技復帰の許可を得たにもかかわらず、大会開始のわずか数時間前に『Pro Taghazout Bay』の出場を阻止されたという知らせを受け、大きな驚きと失望を感じている。
WSLはISAとは独立した組織として、このイベントへの出場が可能であると保証していた。
しかし、直前になってISAからの新たな情報や圧力を受け、WSLは私に何の返答の機会も与えずに立場を変更した。
これまで、私は常に競技団体の決定を尊重し、復帰に必要なすべての条件を満たしてきた。
そのため、明確な説明もなく、大会直前に突然基準が変更されたことを受け入れるのは非常に困難だよ。
この決定は私のキャリアだけでなく、私の人生にも大きな影響を与える。
この瞬間のために費やしてきた全ての準備と努力が、突然無駄になってしまったことが、より一層受け入れがたい現実となっているんだ。
それでも私は未来に目を向け、全てが早く解決することを願っている。
皆さんの変わらぬサポートに心から感謝して前に進み続けるよ!”
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(染谷たかし)