モーメンタム世代としてテイラー・スティールの初期の作品に出演し、日本編も制作された名作『Drive Thru(ドライブスルー)』シリーズの監督としても知られる、カリフォルニアのグレッグ・ブラウニングが逝去。
グレッグは2023年8月に難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたが、その後も気高く、前向きに人生を歩み続け、50歳という若さでこの世を去った。
ALS患者の約50%は、最初の症状から3年以内に亡くなるという統計がある。
グレッグ自身も終わりが近いことを理解した上で、安楽死という選択をしたと伝えられている。
『Drive Thru(ドライブスルー)』シリーズでは、ドノヴァン・フランケンレイター、ベンジー・ウェザーリー、カラニ・ロブなどの個性豊かなサーファーたちと共に世界中を旅し、サーフィンの楽しさと自由な精神を多くの人に伝えてきた。
近年では、タティアナ・ウェストン・ウェブやカリッサ・ムーアといったトップアスリートのサポートにも力を注いでいた。
グレッグのキャリアを最も近くで支えてきたテイラー・スティールも、訃報を受けてすぐに心のこもったメッセージを発信している。
多くの人に愛され、影響を与えたグレッグ・ブラウニングのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
” ある人たちは、その静かな優しさと勇気をもって生きることで、周囲の人々に深い感動を与えます。
グレッグ・ブラウニングは、世界トップクラスのサーファーであり、「Drive Thru」シリーズをはじめとする数々の伝説的なフィルムを手がけたアイコニックなフィルムメーカー。
17 Clothing の創設者であり、そして何よりも最高の父親でした。僕たちは共に世界を旅し、いくつもの困難を経験しましたが、グレッグはいつだって、僕が出会った中で最も思いやりのある人でした。
けれど、彼の本当の強さが現れたのは、ALSと向き合った人生の最終章でした。ただ耐えるだけでなく、身体が衰えていく中でも、彼は常に他者のために存在し続けました。
彼は決して自分のことを中心にしなかった。常に優しく、好奇心を持ち、深い意図をもって行動し、笑いと視点を与え、どんな時でも周囲の人たちを励まし続けたのです。
そして今でも、彼がどれほど多くのものを私たちに与えてくれたのか、まだ完全には受け止めきれていません。
グレッグ、あなたはこれからも私たちと共にいてくれます。もっと利他的に、もっと与える人間に、そしてあなたのように、自然体で愛をもって生きることの大切さを、私たちに教えてくれたその姿勢を胸に。”
(染谷たかし)