9月30日に発売された「ザ・サーファーズ・ジャーナル」日本版12.3号の読みどころを同誌のコントリビューティング・エディターも務める李リョウが紹介。
Pretty to think So（バスク回顧録）
これスキャンダルな記事です。けっこうヤバイね。ベテランサーファーならば～「でしょ～アルアル」と大笑いすると思いますよ。マリファナも登場しますが〜世界的に解禁が進んでいる昨今ですからもう大丈夫でしょうね。ストーリーをぶっちゃけて話せば、サーフィン業界の景気が良かった80年代。プロツアーも盛り上がっていて、ヨーロッパ各地で試合が行われていた。その一つにスペインのザラウツがあった。でも他のコンテストとはザラウツはちょっと違っていた。なぜならばバスク地方の祭りと同時に開催されたからだ。一晩中大騒ぎする祭りにコンテストが飲み込まれてしまい、選手はおろかASPの役員たちまで徹夜で大騒ぎ！それが毎年続く恒例行事となってしまった。当時ヘッドジャッジだったアル・ハントだって徹夜で飲み明かしたって証言してるから、そうとうなものだったようです。とにかく読んでください。ちなみイントロは読みにくい（訳が悪い？ごめん）からそこは飛ばして、次のページから読んでもいいかもです。
Soundings（それぞれの意見）
モノリスの手触り
大好評の記事が今号も登場です。「それぞれの意見」原題は”Soundings”。ようするにサーフボードビルダーたちの内輪話。今回はシェーパーたちのお気入りツール。サーフボードフォームをモノリスと例えて、その手触りを補佐するためのとっておきツールです。シェープルームって行ったことある？不思議な空間だけど、そこにある道具も不思議なものばかり。もう捨ててもいいんじゃね？と思うようなボロボロのサンドペーパーが、大切なツールだったりすることもある。さて、アキラアイパさんが登場しています。彼の紹介する手作りツールは「それいいかも～」と思わせますね。カウアイのテリーチャンはたしか〜タイタスキニマカのトーインパートナーじゃなかったかな？タロイモのディケールで、マニアの間では有名なシェーパーですね。
（お詫び；スキップフライの項でノミの幅が1/8インチ32ミリと記されていますが、正しくは1/8インチ3.2ミリです。訂正させていただきます）
ハレアカラを覆う雲（デーンケアロハ物語）
世界チャンピオンの実力を持ちながら、そのタイトルを手にできなかったサーファー。デーンケアロハからはそんなイメージがつきまとってしまう。みんなそう感じていたんだな、僕だけじゃあなかったんだね。この記事を読んで驚いたのは、じっさいには世界チャンピオンになっていたかもしれないってことだ。まさかそんな事件が起こっていただなんて…。家庭内暴力、アパルトヘイト、IPSとASPの確執・・。読後の感想は、けっして晴れやかな気分にはなれない、つまり「ハレアカラを覆う雲」しかしながら、かなり読み応えのあるリアルなストーリーです。
バックスライディング
21世紀になってサーフィンが自由になったのはいいことだと思う。好きな長さのボードでグライドし、フィンの数もウェットスーツの色も自由に選べます。そんなあたりまえのことが昔はなかった。おじさんサーファーもネオンカラーのウェット着てたからね。サーフボードもペラペラで「最新型でテイクオフ早い」などとサーフショップの店長も、初心者を言いくるめていた。さて、好きなボードで好きなスタイルをチョイスという現代、その先鋒にいるのがロングのニュースクーラーじゃないかな。もうニューじゃないけど〜アレックスノストは、昔はチームロバートオーガストだったなあ。当時を思い出すとちょっと笑えてくる。しかしながら、ロングはその良し悪しを比べるのは難しい。技術もさることながらスタイルがどうのこうのという世界だからだ。WSLで世界チャンプを決めるというのも「違うんじゃねえの？」と思うのは僕だけではないと思う。でもジョエルがタイトル取っちゃったのは流石です…。とにかくつかみどころのないロングボーディングを新しいスターロンガーたちはどう捉えているかという記事ですね。スタイルという定義のヒントになるかどうかはあなた次第。
（李リョウ）
THE SURFER’S JOURNAL（ザ・サーファーズ・ジャーナル）日本版12.3号
●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛され、書店では買うことができないライフスタイル・マガジン。
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