インドネシアへのサーフトリップと言うと、サーファーであれば強く憧れている方も多い事でしょう。
ホームブレイクではなかなか味わうことのできない極上ウェイブを楽しめると期待できますし。
インドネシアにはワールドクラスのサーフスポットがいくつも点在しているので、地形と言ったセットアップやスウェルの発生源に恵まれているのは事実です。
なのですが、どんなに地形が良くてもある程度のサイズのスウェルが発生しなければ宝の持ち腐れで、真価を発揮する事は決してありません。
そんなサーフエリアの一つが、今年6月に訪れたライトバレルで有名なニアス島のラグンドゥリ湾に位置するソラケビーチ。
ニアスには過去にも訪れた事があり、その時はサーフシーズンの乾季から雨季へと季節の変わり目だったためか、波には恵まれませんでした。
そして今年は絶対に当てようと思い、サーフシーズンの乾季である4月後半~6月後半の60日間に渡ってインドネシアに滞在。
その間でまとまったスウェルが発生したタイミングでのストライクミッション狙いでジャカルタに滞在していたのですが、驚くことに4月後半から5月いっぱいまではスウェルが入らない外れ年となることに…。
何とかスウェルが発生し出したのは6月に入ってからの事で、4~6フィートになるとの予報を確認してからニアスへと飛びました。
そして滞在中にはラッキーな事に、4~6フィート予報の2日後には6~8フィートにサイズアップとスウェル予報が好転したので滞在を延長しました。
初めてニアストリップした時の記憶を辿ると、最もサイズがあった日が4~6フィートで、フェイスで6フィートはおよそオーバーヘッドなので何とか巻く波もあるなといった程度。
その感覚は今回訪れてみても変わらず、4~6フィート予報での爆弾セットが頭半くらいでした。
個人的な体感として、ニアスはオーバーヘッドほどからバレルになる波もブレイクし、頭半ほどになるとコンスタントに巻くというイメージです。
オーバーヘッド以下のサイズはどんなブレイクかと言うと「ニアスは水深が深くて安全なのにバレルの練習ができる」と言われている通り、水深が深いと言うことでかなり厚めのブレイクでログ向けとなります。
ちなみに、水深が深いのですが僕は今回1回だけですがリーフにヒットしていて、ワイプアウトした時に波のフェイスで体を弾かれてリップに吸い込まれ、ボトムへと叩きつけられた時にリーフまで到達しました。
ということで、ニアスであろうとリーフヒットは十分にあり得るので、怪我の手当てのためにも消毒液と軟膏の持参は必須です。
カットの深さが縫うほどではないけどそこまで浅くない時は痛みで寝れなくなる時もあるので、そういった時用に痛み止めとしてロキソニンといった薬も準備しておいた方が良いです。
さて、ニアスの本領発揮となるバレルを狙う上で、どのくらいの頻度で波のサイズがオーバーヘッド以上になるのかと言うと、湾内に位置するサーフスポットであるためか簡単にはサイズアップしません。
現在が年間で最もビッグスウェルが発生しやすい7~8月のピークシーズンなのですが、スウェルの長期(半月)予報に目を通しても4~6フィート以上になるのはわずか4日ほどと少ないです。
このように様々なニアス動画を見ているとバキバキのイメージがあるものの、実際にはそう簡単に美味しい思いができるわけではありません。
しかも、ニアスは安宿があるサーフエリアと言う事でサーファーが集まりやすく、ラインナップの混雑は避ける事ができませんし。
それでも、憧れを持っているサーファーならば、一度は絶対に訪れて体験して見て欲しいので、私が撮影してきた下記動画から雰囲気を感じ取って見て下さい。
(World Surf Movies)
※本コーナーでは、波情報BCM内で公開されているコラムの一部を掲載しています。