マウイ島出身のビッグウェーブサーファー、ビリー・ケンパーが自身のInstagramでハワイアン航空に対して手荷物規定の見直しを求め、ハワイアン航空が規定を変える声明を発表した。
サーファーがボードを持って旅することに関しては、これまでもずっと不利な立場に置かれてきたが、声をあげることでいくつかの航空会社が大きな変化を遂げ、多くの好意的なフィードバックを得るのを見てきたビリーは「あまり大声で言いたくはないが、今は意識を高める必要がある時と場所だと思う」と、今回の投稿に至ったようだ。
ビリーは今回、ホームであるマウイ島ジョーズでサーフィンをするため、サーフボード2本とともにホノルルから移動しようとしていたが、わずかに重量が超過しており搭乗が許されなかった。重量超過料金を支払うので乗せて欲しい、と懇願したところ、ポリシーに反するので、受け入れられないと拒否されたという。ビリー曰く、重量オーバーやサイズオーバーに対する追加料金を問題視しているのではなく、払わせてもらえなかったこと、必要なギアを輸送できなかったことに怒りを覚えてたようだ。結局サウスウエスト航空のフライトを予約した。
「サーフィンはハワイで生まれた我々の文化の一部だ。1時間弱のフライトで、わずかな重量超過で飛ぶことができないなんてバカげている。ハワイの航空会社なのに、そこにアロハ・スピリットはなかった。声を上げないといけない。」
なお、他の多くのサーファーもビリーの意見に同意するコメントを投稿。
サウスウエスト航空がいいよ。しかし、100ポンドの荷物がダメで、500ポンドの人間ならOKだなんて適当すぎる。
シェーン・ドリアン
自分も同じ経験をしたことがある。追加料金のポリシーすらなくて、ちょっとオーバーしただけで荷物を置いていけと言われた。
ネイザン・フローレンス
ハワイアン航空はもっとがんばって欲しい。サーファーのニーズに対応できるよう、ポリシーを変える必要がある。サーフィンはハワイに観光をもたらすし、航空会社はそこから利益を得ているのに。
カイ・サラス
私はサウスウエスト航空しか利用しない。サウスウエストはハワイの島間で輸送が無料だし、私のボードはロングなので。
ニック・ミラー
そしてビリーの投稿から数日後、ハワイアン航空が方針を改定する声明を発表した。
私たちはビリー・ケンパーと話し合い、重量制限の50ポンドを超えるサーフボードバッグをチェックインできないことについての彼の懸念に耳を傾けました。旅行するサーファーをより適切にサポートするために、数日以内に、50ポンドを超えるサーフボードバッグを受け入れ、安全に輸送できるようにする新しいポリシーを導入する予定です。サーフボードは独特でかさばり、壊れやすいため、空港や機内で特別な取り扱いが必要となるため、当社では他のスポーツ用品とは異なる取り扱いをしています。私たちはゲストからのフィードバックを重視し、サービスを改善するための提案を常に歓迎します。2017年に私たちは1つのバッグに複数のサーフボードを入れることを許可し始めましたが、この度の最新の変更により、サーファーは私たちと一緒に旅行する際により柔軟に対応できるようになります。
ハワイアン航空
この対応に、ビリーは「声をあげてからわずか数日で動いてくれ、話を効いてくれてうれしい」と好意的なようだ。新しい規則が具体的にどのようなものになるのか、いつから適用されるのかについては明らかにされなかったが、近い将来ビリーとハワイアン航空はミーティングを行う予定とのこと。
以前より、サーファーがサーフトリップや大会出場のために移動する際に、航空会社とトラブルになることが多い。サーフボードの輸送は、料金、サイズ、重量の制限ルールだけではなく、輸送時の取り扱いで破損が発生した際の対応も、毎回ギャンブルのような心配がつきないもの。
しかし一方で、ハワイアン航空が主張するように、サイズが大きく壊れやすいサーフボードは特殊であることも事実で、日本の航空会社でもその取り扱いは各社対応が異なる状況。
ひとことでサーフボードと言っても、その種類や長さ、持参したい本数などはサーファーによってケースバイケース。サーファーがより安心してボードとともに旅ができるように、より大きな声で航空会社へ要望を伝えていくことが大切かもしれない。
(THE SURF NEWS編集部)