1月30日に発売された「ザ・サーファーズ・ジャーナル」日本版14.5号の読みどころを同誌のコントリビューティング・エディターも務める李リョウが紹介。
Chiled of The Bomb/炎の申し子
ジョン・ミリアスと言えば、映画ファンなら地獄の黙示録を連想するだろうし、オヤジサーファーならばビッグ・ウェンズデーを連想するだろう。彼はカリフォルニアの大学で映画作りを学び、学生時代の仲間にはスピルバーグやルーカスがいる。サーフィンも好きでマリブの常連となり、ハワイでもかなり修行を積んだようだ。ここまで聞けば、かなりリベラルで民主党支持かなと誰だって思うかもしれない。でもこの人は真逆のタイプ。かなりタカ派で戦争好き、だって若い頃はベトナム戦争に志願して英雄になろうとしていたというから驚きだ。この記事の1ページ目の写真がその全てを物語っていると言っていい。もしこの人が大統領になったら、すぐにでも核ミサイルのスイッチを押してしまいそうな危険人物のようだけど、じつは脚本家としての才能があり、ハリウッドのさまざまな大ヒット作品を書いているストーリーテラーでもある。この人がいなかったらギルゴア中佐もランス二等兵もそしてマットジョンソンも生まれなかっただろうと思う
Kangaroos, Sow Leopards & Steel-Cut Lines/カンガルーとユキヒョウ、切れ味鋭い描写力
オーストラリアのスティーブライアンというフォトグの作品集。
サーフィンフォトグラファーと言っても人生はそれぞれです。この人は紆余曲折あってベルズの前に住むようになり、写真を撮りだしそれがメディア関係者の目に止まって…という滑り出しが好調だったようです。ベルズならリップカールやクイックシルバーがあるし、ビッグコンテストも毎年開催されているからビジネス的なコネクションも作りやすいし、スターサーファーと知り合える確率は高い。地の利を生かして着実に実績を積んだフォトグラファーだと思います。プロフォトグラファーを目指そうと思っている人には参考になるんじゃないかな
Barron Mamiya/インタビュー:バロンマミヤ
個人的に「どんなサーファーなんだろう」と思っていた一人ですね。インタビュアーは大野修聖氏。パイプラインでサーフィンを始めたのが10才というから驚きです。CTに参戦していればWSLから金銭的なバックアップもされるし世界中で良い波乗って…といううらやましい人生送ってます。これからどんな活躍を見せてくれるか楽しみです
The Last Urchin Diver/ラストアーチンダイバー
世界中のサーファーのおそらく99%はアマチュアでそれぞれ仕事を持っているはず。カリフォルニアにはウニ漁を生業とするサーファーがかなりいる。彼らは海に潜って海底のウニを取るわけだけど、船のポンプから空気を送る長いホースとつながっていて、想像しただけでも結構危険な仕事であることが分かると思う。なんでわたしがよく知っているかと言うとカリフォルニアに住んでいた頃に、そう言うサーファーを何人か知っていて、彼らから話を聞いたりテキーラを奢ってもらったことがあるんです。じつはその一人が鮫に襲われて死んでいます。ということもあり、この記事の翻訳はかなりリアルに入り込んでしまいました。しかもシルバーストランドという場所はかなりヤバいです。サーフチェックに行ったことがあるけど「おめえの来るとこじゃあねえよ」という空気感でそのときは退散しました。カリフォルニアというと華やかに聞こえるけどなかなか…
(李リョウ)
THE SURFER’S JOURNAL(ザ・サーファーズ・ジャーナル)日本版14.5号
●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛され、書店では買うことができないライフスタイル・マガジン。
Fujisanマガジンサービスの定期購読プランは最大30%OFF!
バックナンバー(デジタル版)も読み放題。
→詳細はコチラから