マジックボード究明、千葉公平プロファイルほか、TSJJ14.6号の読みどころ

3月31日に発売された「ザ・サーファーズ・ジャーナル」日本版14.6号の読みどころを同誌のコントリビューティング・エディターも務める李リョウが紹介。


マジックボードの記憶(「マジックボード」という不思議を究明する)

キャリアのあるサーファーならば、マジックボードと出会いがあるはず。あのフィーリングは言葉で説明するのが難しい、おそらく経験しないと分からないだろう。その謎を究明しようと本誌が多角的な角度から取り組んだ記事。マジックボードの定義からはじまり、作り手、乗り手それぞれの思いや考え方を軸にしてテーマの核心へと迫っていく。そこにはマジックにはあえて乗らないというデーン・レイノルズや、ジレンマを打破しようと手作りしたデーブ・パーメンターの一本が登場する。さらに、似て非成るスノーボードとサーフボードを比較するアレックス・ロペス。またマシンでシェイプする時代になってもボードのフィーリングがそれぞれ異なるのはなぜかと、製作現場の事情を説明するジョン・パイゼルやブレット・メリック他、そして最後は、御大トム・カレンがこのテーマを総括する。

TSJJ14-6より

心、波に在り(千葉公平のプロファイル)

70年代に盛り上がった関西のサーフィンブームは、海から離れた都市部でファッションだけが先行した。したがって波に乗る機会が限られていたため、実力面では、関東に遅れをとる時代が続く。しかし四国という「波の金鉱」を関西のサーファーが発見し状況は一変する。その四国に黎明期から拠点を構えて、リバーマウスという最高のテストコースで、サーフボードの開発に取り組んできたのが千葉公平氏だ。昨日話題になったデレク・ハインドの記事「エボルバー」(日本版14-1)に唯一選ばれた日本人ということもあり、本誌が改めてその足跡に迫ることになった。編集は千葉氏と親交の深い横山泰介と、山根佐枝が担当した。それはさておき「サーファーは波が育てる」ということわざ通りに、四国のサーファーはバレルが上手いね。

TSJJ14-6より

ジェフ・ディバイン作品集(アーカイブ「A+」60-00S)

「サーフィン」「ハワイ」「ライトニングボルト」という言葉を並べたら、あなたはどんなイメージを想起するだろうか?おそらく脳裏に浮かんだそのいくつかはジェフ・ディバインの写真に違いないはず。サーファー誌を通じて彼の作品はこの世界に多大な影響を与えてきた。今回はその蔵出し作品の特集です。ほとんどが初公開かもしれない。60年代から2000年代までだからコダックかフジのフィルムでの撮影ですね。彩度もさすがです。

さて、ディバインの作品の特徴は、ウォーターショットではいわゆるフィッシュアイのような広角レンズではなく、少し長めのレンズで「引き」で撮影するところ。そのためにサンセットの波のスケールもしっかり表現されています。またポートレートでは奇をてらわない自然な作風が多いが、それぞれの撮られた時間のスパンが長いことや、その自然さによって、良い意味でエイジングされ古臭くなっていない特徴がある。たとえばマカハのローカルを俯瞰から撮った作品をご覧になっていただきたい。ホビーのログの傍に投網やムシロが画角に入っていて、ハワイアンスタイルがさりげなく表現されているのが好例だ。記事の翻訳を担当させていただいたことで、ディバインが大卒のインテリでなく、少年時代にバイトしてカメラを手に入れ、友人のサーフィンを撮るところからキャリアを積み上げていることを知った。

TSJJ14-6より

(李リョウ)


THE SURFER’S JOURNAL(ザ・サーファーズ・ジャーナル)日本版14.6号

●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛され、書店では買うことができないライフスタイル・マガジン。

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