2017年のJ-bay戦のフリーサーフィン中に骨折した右足の中指と薬指の治療が長引き、100%の力が発揮出来ない状態が続いていたケリー・スレーター。
2019年はようやく復帰を果たし、WSLからワイルドカードも得てフルのCT参戦を表明。
更に開幕戦の直前、3月18日〜24日にオーストラリア・マンリーで開催されるQS『Vissla Sydney Surf Pro』にも出場。
2月11日に47歳になったケリーは20歳以上も年下の選手とオーストラリアの中でもイージーなビーチブレイクで対戦することになる。
現役最後と言われているこのシーズンを本気で狙っていることが窺える。
2018年の『Billabong Pipe Masters』は完全復活に近く、3位に。
2018年に参戦した3戦を振り返るとJ-bayでは最下位の25位。
サーフランチ、パイプラインでは3位に入っていた。
最も波を知り尽くしているサーフランチはもちろん、7度の最多優勝記録を持つマスターズと得意の場所ではまだ若い選手と戦える戦力は十分にある。
気分良く3位になったマスターズのインタビューでケリーはこう答えている。
「来年の’Volcom Pipe Pro’には出場しないよ。2019年のシーズン前は自分の体と心を準備することに集中しようと思う」
実際に過去2度制した経験がある『Volcom Pipe Pro』をスキップ。
SNSを見ると様々な条件でサーフボードをテストしたり、最近ではカイ・レニー、ダスティ・ペインとサーフランチで調整したり、残り僅かに迫った2019年のCT、厳しい戦いに備えていることが分かる。
ケリーはマスターズのインタビューで「毎日サーフィンしても痛みが出ることはなくなったよ」とコメント。
これはライバルにとっては不吉なサイン。
そう、健康で全てが揃ったケリーほど怖い存在はいない。
最後に出場を迫られていないQSに何故出場するのか?
それはプロゴルファーがマスターズの前にウォーミングアップトーナメントでプレーするのと同じで、4月にゴールドコーストで開催されるCT開幕戦、『Quiksilver Pro Gold Coast』の前にアドレナリンをみなぎらせ、ヒートに勝つことに集中するウォーミングアップ。
「1年半ぶりにフルタイムのツアーに戻る前の良いウォーミングアップさ」と出場するQS『Vissla Sydney Surf Pro』の記者会見で話していた。
1990年にデビューしてから11度もワールドタイトルを獲得。
大半の年でタイトル争いをしていたケリーにとってQSの出場はハワイ以外ほとんど記録されていない。
直近でも2011年に優勝したハンティントンビーチでの『US Open』と7年以上も前…。
『Vissla Sydney Surf Pro』の開催地であるマンリーでは1997年にCTの開幕戦『Coke Surf Classic』で優勝経験がある。
2019年のCTシーズンに向けて感覚を研ぎ澄ますためにQSに出場するケリー。
47歳にしてまだ勝利に対する貪欲さは衰えていなく、ヴィクトリーラップのシーズンには早いのかもしれない。
12度目のワールドタイトル獲得も視野に入っているのだろうか?
参考記事
Slater Is Thinking Big Picture
(空海)