3月30日から31日に、千葉・鴨川で開催された「2019サーフィン強化合宿」。2020年東京オリンピックの出場選考過程の一つであるこの合宿において、日本サーフィン連盟(NSA)の理事であり、東京2020組織委員会のサーフィン競技スポーツマネージャーを務める井本公文氏に、強化合宿の目的や五輪に向けた今後の展開などを聞いた。
強化合宿の目的は?
東京オリンピックまで480日程まで迫って、選手だけでなくスタッフもトレーニングしたいと思っています。選手に関しても、五輪代表選考として16名に絞ってジャパンオープンに出て、そこから入賞者が世界選手権に出れるという位置づけになっており、より本格的な形で合宿を開催しています。
東京オリンピック以降も見据えて選手を評価しているのでしょうか?
2024年フランスのオリンピックでも、サーフィンがまた候補に挙がっているので、フランス、(2028年の)ロスとつなげられるように、ジュニアの選手も参加してもらって一緒にトレーニングしています。
フランス大会でのサーフィン採用は、東京五輪の結果次第と言われていますが?
スノーボードが長野オリンピックで始まり、スケートボード、サーフィンは今回の東京オリンピックで始まります。ヨコノリ3つ揃って、この日本でスタートするのはすごく光栄ですし、成功すると思っています。サーフィンの良い文化をしっかり露出できるようにして、フランス大会につなげられるような環境を作りたいを思っています。
長野オリンピックの時はスノーボードはまだあまりメジャーではなかったですが、今ではIOCの中でもベスト3の視聴率を持っている競技。サーフィンもそうなれるような環境づくりをしたいと思っています。
五輪に向けて、一般の視聴者やメディアにはどのくらい認知度があがりましたか?
実は、同じくフランス大会の候補にあがっているスケートボードとスポーツクライミングには、もっとメディアが来ているようです。もちろん会場が関東近郊で取材しやすいということもありますが、メディアの方にとってサーフィンは分かりづらい部分がまだまだあるようで、このようなイベントに実際に足を運んでいただいて徐々に理解を深めていただいています。それでも、昨年の世界選手権や世界ジュニア選手権などでのメダル獲得など、選手の活躍もあり、メディアの量は増えてきています。
3月の強化合宿で男女各16名が、5月の「第1回ジャパンオープンオブサーフィン」の出場者として選ばれた。その優勝者は、9月の「ISAワールドサーフィンゲームス」に日本代表“波乗りジャパン”として出場する。2020年に向け五輪出場選考が本格化する中で、大会関係者は既にそれ以降の大会も見据えている。THE SURF NEWSでは、今後の各イベントについて、選手選考はもちろん大会運営についてもお伝えしていきたい。