16日に報じた、静岡県牧之原市でのウェーブプール建設計画について、地元住民らへの追加取材により、建設予定地や使用する造波システム等の新たな情報が分かった。一部、地元住民間での噂話等も含まれるが、詳細は近日中に正式発表される見込み。
≫牧之原・静波のウェーブプールは2020年秋開業!建設計画と事業運営について正式発表(2019/12/21)
≫牧之原・静波に人工サーフィン施設が誕生か、2020年完成予定(2019/12/16)
ウェーブプール建設予定地
静波海岸から徒歩2~3分の場所。建設予定地に含まれると思われる「静波キャンプグラウンド」は来年度の営業予定はないという。
プロ競技にも使用可能な本格的システムを導入
テキサス・Wacoにある「BSRサーフリゾート」で使用されている、American Wave Machines社(以下AWM)の造波システムが採用される模様だ。
恐らく世界で一番有名なウェーブプールといえば、11度のワールドチャンピオン、ケリー・スレーターが10年の歳月をかけて開発した「サーフランチ」だろう。
サーフランチがパーフェクトバレルを生成するのに対し、AWMは波のバリエーションを無限に作り出すことができ、より海のコンディションに近く、ビーチブレイクの練習にも適しているといわれている。
アメリカの五輪代表チームを統括する「USA Surfing」は、2018年6月末に五輪用の練習施設としてBSRサーフリゾートと2年半のパートナーシップ契約を締結しており、波のクオリティはプロの競技場としても申し分ないといえるだろう。
現在日本に存在するウェーブプールは、東京・大井町のcitywaveと、神戸レイーズの2つであり、世界の大型ウェーブプールと比べるといずれも小規模と言わざるを得ないが、これが誕生すれば日本初の本格ウェーブプールとなる。(木更津にもサーフランチ建設計画があるが、一向に着工の気配がない)
地元住民の声
今年秋には既に地元住民への説明会が開催され、主に所有地が建設予定地と被る住民や町内会に対して、限定的に行われた模様。
数年前、牧之原市が五輪サーフィン会場の誘致を目指し「ウェーブプール構想」を掲げた際、地元は地域活性になると盛り上がったものの、結局実現に至らなかったことを背景に、未だ「今回は本当に実現するのか?」と半信半疑の住民が多いようだ。
また、ウェーブプールが実現した際の渋滞や騒音を心配する声や、建設予定地の目の前の通りは、前回の台風で浸水しており、その影響や対策を心配する声もあったが、強い反対は出ていない様子。
その他、航空会社がスポンサーについたとことや、利用料が1回あたり5000円程度になるなどの噂も出ているという。
このウェーブプールが実現すれば、牧之原市が五輪ホストタウンとして埋め入れているアメリカと中国のサーフィンチームや、日本代表波乗りジャパンの練習施設としての使用される可能性も十分あるだろう。
現在進行中の行政手続きは1~2月頃に終わる見込みで、詳細については近日中に正式発表されるという。続報を楽しみにしたい。
(THE SURF NEWS編集部)