Reference :Gabriel Medina interview, SurferMgazine May/2014
2018年はブラジリアンがCTで大暴れだ。現在トップ10にはブラジリアンがなんと4人。このブラジル大躍進の突破口を開いたのが、世界タイトルを若干20才で手中にしたガブリエル・メディナであることに疑いの余地は無い。日本ではその実力ほどには注目を集めないガブリエルだが、インスタグラムのフォローワーはケリーやジョンジョンより多くワールドワイドにファンを獲得している。
この記事のインタビューは2014年の記事だが、彼が初の世界タイトルを手にする前に行われていた。英語の苦手な十代の少年がCT(チャンピオンシップ・ツアー)へデビューし、瞬く間に世界タイトルを手にしたヒントがここにある。
CTは子供のころの想像と同じ?それとも違った?
そうでもあり、そうでもないかな。ベストサーファーとベストウェーブで戦うのは夢だったけど、それが実現するなんて思っていなかった。
ところが僕の両親はそれを信じていて助けてくれたんだ。そしたら本当にしかもあっという間に実現してしまった。そして今ここに僕はいる。母国ブラジルと応援してくれている人たちに大きな責任も感じている。
トップガイたちと自分の実力が変わらないことにいつ気がついたの?
CTの最初の試合で勝ったとき。それまでは自信が持てなかったけど、ベストサーファーたちと戦えるポテンシャルがあることを悟ったんだ。
賢く戦ってベストウェーブを掴めば勝てるんだってね。これは燃えるほど大きな自信になった。そして次のサンフランシスコでも勝ったんだ。
連続2勝してどうなった?
メディアに衝撃が走って大きな注目を浴びるようになった。これは今までに経験してきた以上の注目だった。でも僕の気持ちは普段と変わらなかった。勝利への強い欲望は以前と同じだった。
ツアーで学んできたことは?
試合は複雑だってこと。自分のサーフィンを正しく行うためにはさまざまな不確定要素がある。ヒート中の波もそうだし、忍耐も学び、戦略とコンデションを考えて正しい答えを導き出す必要もある。
それにたとえ良いサーフィンをしても勝てないこともある。これは誰にでも起こりうること。ビッグスコアを叩き出してもバックアップが出せなければ意味が無いんだ。
試合に勝って、世界タイトルの期待とともにブラジルから大きな援助があったけど、その重責にどう対応したの?
ブラジル人の世界チャンピオンに対する熱意は異常だからね。とくにサーフィンはまだ世界チャンピオンがいないから。僕が世界チャンピオンになるってブラジルでは信じて疑わないんだ。だから負けたときは手厳しい。昨年は成績が振るわなかったから、酷評された。でもそれがブラジルなんだ。だから気にしないようにしている。試合は負けるほうが多いんだから。一つのヒートに全力を尽くすだけ、それだけだね。
酷評や賞賛の声にどう対応するの?
勝とうが負けようが、僕には帰ることができる家族や友人がいるんだ。その存在は大きい、友人といるときは、僕はただのガブリエルなんだ。試合の結果で彼らとの関係は変わらない。そういう親友や家族といれば自分を見失うことはない。
君はツアーのほとんどを家族と移動しているね。他の選手でそういう人はいないけど?彼らは支えになっている?
ブラジルの家に帰ることはほとんどないから一人で旅を続けるのは寂しいよね。だからいつも家族や友人と居られるのは幸せだ。母親の料理も食べられる。コンテストに真剣に集中するのは自分のヒートのときだけなんだ。
ツアーで最高なことは?
世界のベストウェーブをたった二人だけでサーフできることかな。しかも相手はベストサーファーたち。僕は戦うことが大好きで友達にだって負けたくないんだ。ベストウェーブでベストサーファーたちと戦って勝つ。これ以上のことって他にはないだろう。
ツアーで最悪なことは?
誤解しないで欲しいけど、旅が多すぎる。これは不平ではないよ。でもずっと旅をしながら年齢を重ねていくんだ。分かって欲しいのは試合のために休暇が取れない。ツアーはマラソンレースのようなもので一年間働き続ける。それで結果がよければ幸せだけど。
ツアーの他の選手との関係は?
良いよ。みんなと話をするし、でも全員とすごく仲良くなるってことはない。ブラジル人とだって同じ。フィージーでは島にみんなで暮らすから深く知り合えるけど、でも他では顔を合わせるのは試合の時だけだよ。
英語圏で試合をして誤解されているって思うときは?
そのとおり。英語が少ししかできないからね。言いたいことはたくさんあってもどう伝えていいかわからない。英語がネイティブじゃないと間違って伝わってしまうことがよくある。たとえ辞書を持って訳したとしてもポルトガル語と英語は全く違うから意味が変わってしまうんだ。
実際にそんな経験はあるの?
正直に言って自分の英語でのインタビューを見るとまるで別人が話しているように感じる。だから英語のインタビューのときはためらってしまうんだ。ストレスかな?でも挑戦でもあるけど。
現在で世界一のサーファーは誰だと思う?
間違いなくケリーだね。別物だ。
影響を受けたサーファーは?
デーン・レイノルズ。彼はちょっと変(笑)でも彼のフロントスタンスでのサーフィンは誰にも真似ができない。彼はいつも全開でラジカルだ。
ツアーで最も大きなライバルは?
全員。ツアーに参加したころは簡単に勝てるなって思える選手が数人はいた。でも今はみんな強敵。
誰もが試合で勝てる実力を持っているからね。昨年だっていろいろな選手が試合に勝ってトップが次々に入れ代わった。
でもその中でも強敵なのはケリー、ミック、ジョンジョン、ジュリアン、パーコ、そしてジョディ。でも他にもすごい選手がいるよ、ミシェル・ボーレスなんかもそうだ。でもヒートで一番当たりたくないのはケリー、ジョンジョン、そしてジュリアンかな。
(後略)
(李リョウ)
Reference :Gabriel Medina interview, SurferMgazine May/2014
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