シリーズ「おいらはサーファーの味方」⑰
冷たい海を楽しむサーファーの常識をちょっとディープに考える
寒い冬にサーフィンしてこそサーファーというもの。
冬型の低気圧と冷たい北からのオフショアは夏の波とはまた違った味わいがある。日本海側も大陸からの強風でビッグウェーブがブレイクするシーズン。それを待ち望んでいるリアルサーファーも多い。
「冬の海に入るの?」なんて驚く人もいるけど、経験してみるとそーでもない。そーでもないけど、たまにそーでもあるときもある。地域によっては12月くらいまでは海水が温かく寒さはそーでもないけど、1,2,3月はけっこうヤバイ。
ということで冬のサーフィンをテーマに「賢い主婦」じゃなくて「賢いサーファー」はこんな感じで冬の波を楽しんでますというコラム。ご一読いただけたら幸いです。
秘湯ポリタンのお湯
プラのタンクにお湯を詰める。これマストです。はじめて冬を迎えるサーファーには購入をお勧めします。タンクにお湯を入れて車に積みタオルで保温し、海から上がったらそれを被る。これがやたらに気持ちイイ。このためにサーフィンしている人もいるくらい?そんなことないか。
この秘湯ポリタンの湯、冬のサーフィンには欠かせない。でもこの秘湯ポリタンは温度管理がちょっとムズイ、熱過ぎるときがあるから注意しよう。
ちなみポリタンはなんでも良いんだけど、サーフグッズで保温用のバッグが付属しているやつがある。
写真上のツールスのバッグは防水で夏はクーラーボックスとしても使えるという、「さすがサーファー心を知っていますねぇ」とうれしくなってしまう。10Lのポリタンが二本入るタイプもあってこれはいいかもしれない。2ラウンド目用にお湯をとっておけるし10Lなら満タンでもなんとか持ち上げてお湯をかぶれる。
さてミニマリスト的に考えると写真下のような小さなタンクも使える。1ガロン(3.9L)と容量は小さいけど1ラウンド分くらいは十分に足りるし、車の座席の下の小さなスペースにも置ける。
ブーツと専用サンダルのすすめ
サーフブーツは慣れです。初体験は誰もが違和感を覚えるけど、がまんして何度か履くと慣れる。「寒くてもブーツは履かない」とがんばる人もいるけどむしろ血行が悪くなって足の動きが鈍くなる。なにしろブーツは暖かい。
どうしてもブーツが嫌いという人は、足袋のような薄い生地のブーツを試してみてはどうだろう。これは素足の感覚に近い。さらにブーツはグリップが効くから思わぬ怪我の防止にもなる。またブーツはアスファルトを歩くように作られていないから穴が開きやすい。だから陸上ではできるだけ大切に扱った方がいい。そのためにブーツの季節はビーサンの代わりにクロックスを履いてアスファルトを歩くというアイデアもある。
写真は100均の店で買った類似品だけど使える。もし購入するならば『ブーツを履いても履けるサイズ』ということをお忘れなく。
体が寒いときは内側から
生理学的に考えても体を内側から温めるのは理にかなっている。寒い日の朝一のときは熱いお雑煮とか蕎麦とかラーメンなんかを朝食に食べて体の内側から温めると精神的にも違う。もちろん海から上がってから温かい食べ物で体温を上げるのも効果的。サーフトリップに出かけたときなど、車に湯を沸かせるツールを用意しておくとなにかと便利。コーヒーや地酒を買って温めて飲むのも最高。
ちなみにハードにサーフィンをした後は冬でも水分補給を兼ねて40度から50度くらいのぬるま湯をまず飲むのが体をいたわる意味でも重要。冷たいビールは夕食までがまんしよう。
サーフィンのトリビア:海水温
海水の冷たさは地域によってかなり異なる。良い例が千葉の南と北だ。北房総の一宮方面は水が冷たく夏でもフルスーツが必要なくらいのときがあるが、南房総の鴨川エリアは冬でもブーツがいらないくらいに温かい。これは沖を流れる寒流と暖流の影響によるところが大きく、相模湾よりも南房総の位置が暖流に近いために水が温かい。
日本海も寒いイメージが強いが対馬海流が流れているために12月に入っても海水温の温かいエリアがある。
おすすめの本当の秘湯
福島いわき湯本にある『さはこの湯』は平安時代から続く源泉で入浴料なんと230円!(令和元年10月1日から300円に改定)
冬のトリップは温泉巡りもまた楽しい。
冬の海を楽しんでこそ、リアルサーファーというもの。自分なりの便利グッズを駆使して、冬のサーフィンを楽しもう。
(李リョウ)