サーフィン大国オーストラリアで最大規模の都市であるシドニー。
そのシドニーにて、ウェイブガーデン社の造波装置を使ったアーバンサーフシドニーというウェイブプール建設が何年も前から計画されています。
そのアーバンサーフに加え、新たなウェイブプールの建設計画が進行中であることが報じられました。そのウェイブプールが「Wisemans Surf Lodge(ワイズマンズサーフロッジ)」。
高級ウェイブプールリゾート「Wisemans Surf Lodge」
ワイズマンズサーフロッジが建設されるのは、ノースシドニーから車で60分ほど北に位置するハークスベリーリバーのワイズマンズフェリーで、地図上では以下となります。
同ウェイブプールは、いわゆる近年のウェイブプール建設ではパッケージとなっているリゾート込みの複合施設となっていて、会員制として運営するとのこと。
ウェイブプール以外の施設としては、54つのスイート、9ホールのゴルフ場、クラブハウス、レストラン、バー、ジムなどが併設。
会員制と謳ってはいるものの、完全なる会員制ではなく一般オープンの部分もあるとのことで、一定の時間帯のみウェイブプールを会員以外にも開くのかなと個人的には想像しています。
完成は2022年の予定となっていて、すでにオーストラリアを代表する複数のトッププロが投資パートナーとして参加しています。
名前を挙げると、ステファニー・ギルモア、ジョシュ・カー、ジョエル・パーキンソン、ジャック・フリーストーン、アラナ・ブランチャード、ビード・ダービッジなど。
これほどのビッグネームが名前を連ねていると宣伝効果は抜群で、すでにジャックはSNSで投稿しています。
造波装置はウェイブロック社のSurfLochを使用
さて、ワイズマンズサーフロッジですが、興味深い点が使用している造波装置。ウェイブガーデン社でもAWM社の造波装置でもなく、ウェイブロック社のサーフロック(Surfloch)と言う造波装置を使っているのです。
カリフォルニア州パームスプリングでシェイン・マグナッソンとカラニ・ロブが主導しているPSSC(パームスプリングスサーフクラブ)で使用されている造波装置です。
ちなみに、PSSCで使用している造波装置がウェイブロック社にとって公にお披露目となった初の造波装置となります。
ただし、ウェイブロック社がウェイブプールシーンで知られるようになったのは何も最近のことではありません。
ウェイブロック社が創業したのは1991年のことで、フローライダーでスタートした同社は2018年の時点で実に世界で230個以上のフローライダーを設置したリーディングカンパニー。
そんな同社が近年の本格的なウェイブプールシーンで注目を集めたのは2015年のこと。ウェイブガーデン社の造波装置を使用したウェイブプール「サーフスノードニア」が、イギリスのウェールズでオープンした直後のことでした。
当時の報道としては、イギリスのブリストルにウェイブロック社の造波装置を使ったウェイブプールが建設されるとのことでしたが、全く進展が見られず。最終的に、ブリストルではウェイブガーデン社の造波装置「ザ・コーヴ」が採用され、昨年になってザ・ウェイブがオープンとなりました。
結局のところ、ウェイブロック社の造波装置に関しては完全にベールに包まれていたのですが、PSSCのテストライドにより急遽日の目を浴びることに。PSSCではザ・コーヴ搭載プールのように壁の端からテイクオフするのですが、面白いことに、ワイズマンズサーフロッジではプールのど真ん中から三角波がブレイクするということで仕様自体が異なりそうです。
2022年のオープン予定であれば、テスト稼働などまだまだ先になるのですが、どのような人工波を発生可能なのか気になるところです。
ちなみに、PSSCもあまりに小規模かつショートライドなので、再建築するとの話もあるので、PSSCもろともウェイブロック社の動きに注目です。
参照記事「There’s a Barrelling A-Frame Wave Pool Being Built an Hour North of Sydney Harbour Bridge|Stabmag」