ウェイブガーデン社の造波装置「The Cove(ザ・コーヴ)」を採用したウェイブプールを目玉アトラクションとして、イギリスのブリストルにて2019年に一般オープンを果たした「The Wave(ザ・ウェイブ)」。
そのザ・ウェイブとウェイブガーデン社が大規模な戦略的提携を結び、今後イギリスとアイルランドで最低でも6つのサーフパーク開発を行う事で締結しました。
話はそれだけに留まらず、2019年にオープンしたブリストルに続き、すでにザ・ウェイブの2つ目の建設予定地が決まっていて、それがイングランドの首都であるロンドンとのこと。
ちなみに、ウェイブガーデン社がこのような大規模契約を結ぶのは初めての事ではなく、すでにブラジルの不動産開発業者「KSM Realty」や日本のプロモーター「JPF」とも類似の契約を結んでいるので、ザ・ウェイブは今回で3番目のパートナーだそうです。
各契約は、ブラジルは10年契約を結び、2021年にオープンしたプライア・ダ・グラマを皮切りに今後もブラジル国内でサーフパーク建設を推進していくと言います。
日本国内では、今後7年間で6~7件のサーフパーク建設を行うとのこと。
今回の契約に関してウェイブガーデン社は、ウェイブガーデン社による技術とビジネスモデルの財務持続性が証明された事を示す明白なメッセージであると発表しています。
さて、ウェイブガーデン社がこのような大規模契約を世界で展開する理由は色々あると思いますが、一つはブランド力を強めることにあるのではないでしょうか。
例えば、同じウェイブガーデンの造波装置を使用したサーフパークが、異なる開発業者によって1つの国の中に複数できたと仮定します。同じウェイブガーデン社の造波装置(旧バージョン)を用いたイギリスの「サーフスノードニア」とアメリカの「Nランド」が同じ国内にあるようなイメージです。その場合、各施設の目玉アトラクションは同じになるので差別化は難しくなる一方で、施設名は違うためブランドイメージの統一も難しくなります。
そこで、大規模契約を行えれば、「この業者が手掛けるサーフパークならあの造波装置」といった感じでイメージを繋げ、他の造波装置メーカーに対してブランド力を強めることができるので複数建設が増えてきているのかなと推測します。
イメージ戦略は今後造波装置メーカー各社が世界展開を進めるうえで重要になると思いますが、造波装置メーカーのパイオニアであるウェイブガーデン社だからこそ強みが活かせる戦略と言えます。
果たして、AWM、PSSC、サーフランチ、サーフ・レイクス、エンドレスサーフなどといったライバルはどのような戦略を取ることになるのか注目が集まります。