シリーズ「おいらはサーファーの味方」⑭
良い波でサーフィンしたい。もちろん波を予測するのはそのため。予想天気図、波浪予測と風向、そして潮汐、全てのエレメンツがドンピシャと決まるときはいつか?午前か午後か?明朝か夕暮れ遅くか?、これまで蓄積したデータと長年の経験から導き出される「Xデー」を占うこと、これはサーフィンのもう一つの楽しみ。そのおもしろさをリアルサーファーたちは知っている。
もちろん有料波情報は便利。私も毎日BCMにアクセスしては今の波をチェックしている。今日はどこでサーフするか?その最終判断はBCMに委ねるとしても、『明日の波』をあなたは天気図から予測できるだろうか?
インターネットの普及で波に関する予報は正確になった。でも溢れる情報を分析し低気圧が「いつ」「どのように」ルートを通って、波がどう変化していくか、自分のスタイルで答えを見つける必要がある。そのパターンがわかればホームブレイクの波の良い日が分かるだけでなく旅先のサーフポイントでも応用が効く。
さて、サーファーにとっては波のサイズが一番気になるところ。波高情報が低いとイライラするし、波高がしだいに高くなると、そわそわして仕事が手につかなくなってしまうのは私だけではないと思う。でも波高を調べるときに注意したいのはその高さだけでなく『sec』や『秒』という言葉で表されるいわゆる『ピリオド(波周期)』というものだ。くりかえすが、ピリオドとは波と波との周期を時間で計ったもの。下の図をご覧んいただきたい。Swell01とSwell02は波高が同じだが全く同じ高さだ。つまり波高だけでは波のクオリティーはわからない。
ピリオドとは波のサイクルの、波と波の間隔を時間で計ったものだ。Swell01とSwell02は波高が同じというところに注目したい。つまり波高だけでは波の性質かわからないということだ。その違いがこの図で理解できる。
Swell02はいわゆる「風波」というやつで、オンショアの風が吹くビーチブレイクなどでよく見る波のタイプ。海面は荒れて、波に乗ってもすぐに消えてしまうような波、サーフィンに適した波とは言い難い。「サイズはあるけど横に走ると消えちゃう」そんなぼやきが聞こえてきそうだ。一方Swell01は美しいラインのように沖から押し寄せる波で、つまりピリオドが長い、長いラインでカーテンのドレープのように美しい。ウルワツの崖などでそういう光景を眺めた経験があるサーファーも多いだろう。
ちなみにピリオド6秒以下は風波で、それ以上だとサーフィンに適した波だと判断して良いだろう。ピリオドが上がると波の速度も増すからそのパワーも上がっていく。10秒を超えたときはたとえ波高が低くてもウェーブチェックに出かける価値は十分にある。
(李リョウ)