デニ・フィルダウス
ニックネーム「BLACKBOY」
インドネシアのセントラルジャワ、アジアのヌーサと呼ばれるバツカラス出身の20歳の天才ロングボーダーだ。
バツカラスの町の主要産業は米の栽培だが、典型的なインドネシアの村と違い、住民はヴィンテージカーや2ストロークのカスタムバイクに乗り、サーフィンを愛している。
『Portuguese Surf Film Festival 2017』のベストショートカテゴリーも受賞した約10分間の作品では、デニがバツカラスと自らの人生を紹介している。
もし、あなたがサーファーとして本当に豊かな人生とは何かを探しているのであれば、この作品を見ておいて損はないだろう。
STORY
作品はバイクで颯爽とビーチに向かう場面から始まる。
彼がサポートされている「Deus」の皆と同じように愛用しているシングルフィンのロングボードを載せ、山を越え、橋を渡り、ビーチを走る。
バツカラスに住んでいることを彼は誇りにしている。
美しいビーチにフレンドリーで環境を大事にする住民。
サーフィンを愛し、クラシックカーやカスタムバイクを趣味としている人も多い。
バツカラスのメインブレイクにはロングボード、ショートボード、フィンレス、様々なタイプのサーファーがいる。
彼らは自慢のクラシックカーやカスタムバイクで海にやってくる。
彼の父は飲食店を営んでいるが、時間があれば一緒にサーフィンする。
妹もサーファーだ。
「BLACKBOY」というニックネームの由来は彼の肌の色。
人種によるものだと言う人もいるが、「小さい頃からビーチにいて父とサーフィンをしていた。だから普通の人よりも日焼けしているんだ」と彼は説明して肌の黒さを誇りに感じている。
彼の一日は父の店を手伝うことから始まる。
そして、昼間はサーフィンスクールをしたり、友人と過ごしたり、夜はサーフボードのリペアをしたり。
もちろん、サーフィンは生活の一部、当たり前のようにしている。
サーフィン以外の彼のフリーな時間は友人とバイクに乗る。
愛車は2ストロークのヴィンテージ・モトクロス。
大自然が残っているバツカラスを探険。
山もあれば森もある。
専用のモトクロスコースさえもここにはあるのだ。
彼の至福は、2ストロークのヴィンテージ・モトクロスとシングルフィンのロングボードによって生まる。
子供の頃、初めてロングボードでのサーフィンに出会い、そこでフスニーというローカルサーファーに憧れる。
いつも女性に囲まれていた彼を目指し、直接ロングボードを借りることになる。
その後、「トーマス・ベクソン」シェイプの大きくてオレンジ色のクラシックボードを貰い、本格的にロングボードの虜になり、トラディショナルなスタイルを身に付けていく。
それはショートボードよりもロングボード向きのバツカラスの波質の影響も大きい。
バツカラスにはジー・ノリス、ハリソン・ローチ、他にも多くのスタイルマスターが訪れる。
初めて彼らのサーフィンを見た時、ボードの上でダンスをしているようだと思ったそうだ。
インスパイアされ、どうやれば彼らのようにサーフィン出来るかを考えた。
波のフローに合わせた身体の動かし方や足の動き。
そして、良いロングボードのスタイルとは身体の動かし方次第、足の位置やバランス、流れだと気付いた。
作品はピアノをBGMに彼の優雅なライディングでエンディングを迎える。