「カリナ・ロズンコの人生は『エンドレスサマー』そのもの。
完璧な波を求めて地球上を歩き回っては、いつもそんな波を見つけているようだが、それが彼女にとっての現実、ロングボードの上で魅せるその華麗なスタイルと巧みな技術で刻んできた彼女の人生そのものである。
カリフォルニアに戻っても改装したワーゲンバスで暮らし、ノマド的サーフライフスタイルを貫いている。多くのサーファーが憧れる生活だが、実現しているのはごくわずかだ。」-Vans.com
2019年12月13日にVANSから公開された短編映像「Doll Riot」が話題のカリナ・ロズンコ。
女性ロングボーダーのメディア露出が増えてきている近年、性別や板は関係なく、自分独自の立ち位置にいられたらと語るカリナの、スタイリッシュでありながら力強い、彼女ならではのサーフィンへのアプローチが存分に表現されている作品である。
カリナは1996年サン・クレメンテのサーファー一家の元で生まれ育った。
プロショートボーダーの兄タナーと海へ入るようになったが、物心がついたときから南カルフォルニアのカルチャーは確立されていたとのこと。
ボード収集が趣味の父からもロングボードの文化や歴史を聞かされ、自然とロングボードへの興味が増していったそう。
特にロングボードは、ボードの種類ではなく、サーフィンをしている人そのものが魅力をつくるのではないか、と言うカリナ。
映像には美しくてスタイリッシュなライディングが満載だが、それ以外の場面での豊かな表情や音楽のチョイスも観どころ。
スポーツというよりはライフスタイル、多様性があって良くて、なぜ多くの人々がロングボードに惹きつけられるのかが理解できる、と語るカリナ自身のメッセージが、「Doll Riot」に詰められている。
「Doll Riot」の舞台はインドネシア・バリ。撮影・監督はジミー”ジャズ”ジェームス。
この映像で、2019年のSurfer Poll(Surfer Awards)の2019年Women’s Best Styleにノミネートされた。
なお、映像のタイトルは元々「Bintang Barbie」だったとのこと。
いつも旅にはスケッチブックを持参し、何かしらおもちゃのマスコットをお供させるそうだが、今回はロンボクのデザートポイントへ行く途中にバービー人形を購入し、ビール瓶に片足を突っ込んだ「Doll」のイラストが映像にも登場する。
残念ながら「Barbie」という名前は商標の問題で使うことができず別のタイトルを考えていたところ、90年代のアメリカ・オリンピア発で音楽やアートなどを通じて女性が平等に自由に表現するためのフェミニスト運動「Riot Grrrl」とカリナ自身の思いを重ね、「Doll Riot」に決めたそうだ。
2019年11月に初めて鵠沼で開催された、ジョエル・チューダーによる招待制ロングボードコンテスト&ビーチフェス「VANS JOEL TUDOR DUCT TAPE INVITATIONAL AND FESTIVAL」で来日し、日本のファンを前に優雅で力強いクラシックスタイルを披露したカリナ。
アレックス・ノスト初監督のサーフムービー「Tan Madonna」にも出演し、ニューヨーク発のレコードレーベルとサーフ・アウトドアブランドのコラボレーション映像「Self Discovery for Social Survival」にもクレジットされた。
これまでの活躍もさることながら、カリナの一貫したスタイルの追求は、今後もより多くのスタイルを生み出すインスピレーションを与えてくれるのではないだろうか。
(THE SURF NEWS編集部)