世界中の変な波にフリーサーファーのディラン・グレイヴスがトライするVANS・YouTubeチャンネルの人気シリーズ「Weird Waves」のシーズン3。
4つのエピソードは全てアメリカで撮影されたもので、エピソード1は特殊なナイトサーフィン、エピソード2はテキサス州のタンカーサーフィン。
どちらも「Weird Waves」らしいユニークなサーファーが登場して楽しませてくれた。
趣向を変えたエピソード3も負けず劣らずの面白さ。
そして、波に乗ることの意味を改めて感じさせてくれたエピソードだ。
童心に帰るサーフィン
そもそもサーフィン自体が童心に帰るものだが、良い意味でくだらないことをすることでサーフィンの楽しみが広がることがある。
サーフィンする場所は地球上に無限にある海で、一言で海といっても多種多様なのだ。
最初の舞台はカリフォルニア・カールスバッド。
崖の下にあるこの場所は潮が上げると強烈なバックウォッシュが出現する。
通常のサーフィンだとバックウォッシュはやっかいな現象だが、それをみんなで楽しんでしまおうという発想がアメリカらしい。
世界中で問題になっている’歪んだローカリズム’さえも笑い飛ばしてしまうような爽快な映像だ。
続いての童心に帰るサーフィンの舞台はカリフォルニア・オレンジカウンティ。
カリフォルニアらしいダイナミックな地形に出来た岩の穴を通り抜けるアトラクションのようなサーフィンだ。
このスポットを発見した20歳のパットは、混雑したビーチでのサーフィンに嫌気が差してサーフィンに対する発想を変えた。
リーシュコードなしで波に乗りながら岩の穴をくぐり抜けるとは、クレージーな行為だが、このサーフィンで出るアドレナリンの量はノースショアのビッグウェーブに相当するのかも…。
最後に紹介するのはカリフォルニア・デルマー。
今回の案内役であるロニーは現在60歳でロブ・マチャドサーフボードのマネージャーを務めている。
彼は8年前に腰を痛めてプロサーファーを引退。
医者にサーフィンは難しいと言われた彼はアライアとボディーボードとハンドプレーンをミックスさせたようなボードを自ら削り、小さなバレルを抜けることを目標にした。
仲間と共に毎日のように海に入るロニーにとって、それはセラピーのようなもので、どんなことがあっても毎日が幸せだと言う。
「この海はすでにミステリアスな場所だよね。それに加えてバックウォッシュ、岩、自分で削ったボードで世界一のチューブに入るなんて。そんな選択肢はないだろうと思うけど、この世界に存在しているんだ。それを禅や、ゾーン、あなた自身の次元と呼んで欲しい。どんなスポーツでも、情熱でも、それこそが自分の求めていることであり、自分自身なんだ」
ディラン・グレイヴス
(黒本人志)