「海暮らし・サーファー移住」全国サーフタウンの取り組みを紹介(その①)

海近くの暮らしを実現するためには「移住」という選択肢もある。住み慣れた土地を離れての新生活は、仕事や住まいなど現実的な課題は多いが、国や地方自治体の支援制度を活用することで、そのハードルを下げることも可能だ。

今回は、移住支援に力を入れているいくつかの自治体をピックアップ。将来の“海暮らし”を考えるサーファーはぜひ参考にして欲しい。


① 愛知県田原市

愛知県の渥美半島、通称「伊良湖」の主要サーフエリア。兼ねてよりISAの世界大会や国際的なコンテストも積極的に開催。サーフィンに対する自治体の理解が深く、「サーフタウン構想」を掲げた取り組みも実施されている。

お試し移住支援と先輩サポーター

本格的な移住を検討する前に、「たはら暮らし」を体感するための宿泊費の一部とレンタカー借上料の一部を補助してくれるお試し移住支援制度もあり。また、サーフタウン構想の中心となる赤羽根地域を中心に、サーファーの先輩移住者が「たはら暮らし定住・移住サポーター」として、移住希望者をサポートする取り組みも実施している。
移住後の住まいや仕事など、新生活に関する不安をサポーターたちに相談できるので、具体的かつ現実的なプランを検討可能。

問合せ先:田原市役所 企画課
0531-27-7978

国・県と連携した移住支援事業

東京23区(在住者又は通勤者)および東京圏から田原市に移住し、都道府県が運営するマッチングサイトに掲載された法人に就業した方等に、移住支援金を交付。さらに、田原市独自の定住・移住促進として、新築住宅の購入金額の一部として最大60万円の奨励金が交付される。
※住宅や対象者に関する要件あり詳細はHP参照。

・一世帯100万円(単身60万円)
・18歳未満の世帯員を帯同して移 住する場合は、一人につき30万円を加算

「LaSea -THE SURFTOWN TAHARA-」のまちなみイメージ

海まで徒歩5分のサーフタウン「LaSea -THE SURFTOWN TAHARA-」

愛知県田原市が掲げる “サーフタウン構想” の実現に向けた取り組みのひとつとして、太平洋ロングビーチを望む丘に分譲宅地を整備したプロジェクト「LaSea -THE SURFTOWN TAHARA-」の第一期販売がスタートした。

現在は、希望者にブランドブック&カタログを無料送付中、契約者向けのクーポンなども展開されている。興味がある方はぜひチェックを。


② 千葉県いすみ市

千葉県外房のいすみ市は、東京五輪会場だった一宮町と隣接し、多くのサーファーが住む地域として知られる。付近の海沿いエリアで唯一の「市」であるため、充実した行政サービスが魅力でもある。

いすみ市の移住支援事業制度

東京23区の在住者または通勤者がいすみ市へ移住し、移住支援金対象法人や専門人材として就職、または、県の補助金を受けて市内で起業するなど、一定の条件を満たせば、「移住支援事業補助金」として、受け取れる。

・一世帯あたり100万円。18歳未満が帯同した場合は、さらに 100万円が加算
・単身世帯は60万円

※移住直前、連続して1年以上かつ、過去10年間で5年以上、東京23区に在住まはた東京圏から東京23区に通勤していた人が対象
※転入後、1年以内に申請

サテライト移住相談

「田舎に住んでみたいけど、どうやって住むところを探そう」「地域になじめるか心配」という人向けに、市が行うオンライン移住相談に加え、個性豊かな背景を持つ市民相談員からアドバイスが聞けるサテライト移住相談が人気だ。相談員のプロフィールは「いすみ暮らし」というHPから確認可能。元は都会の会社員で農業やゲストハウス経営などに従事する人々からの生の声は移住の参考になりそうだ

問合せ先:いすみ市役所 企画政策課
0470-62-1332


③ 静岡県牧之原市

静岡県牧之原市は、サーフィンが盛んな静波海岸と、そのすぐ内陸に本格派サーフィン用ウェーブプールの静波サーフスタジアムを有する。東京五輪前の米国選手団のキャンプ地にもなり、五輪金メダリスト、カリッサ・ムーアと牧之原市の子どもたちとの交流は今も続いている。

牧之原市の移住支援事業制度

東京23区内に一定期間在住または通勤していた方が、移住してテレワークをする場合や、市の移住者就業支援マッチングサービスを利用して移住する場合などの要件を満たせば「移住・就業支援金」が受け取れる。

・一世帯あたり100万円。18歳未満が帯同した場合は、1人つき100万円加算(3人まで)
・単身世帯は60万円
※個別市内案内 初めての土地を自力で回ったり、地元の人に話しかけたりするのは簡単ではない。そこで、牧之原市は、市の担当者が移住希望者を個別に案内している。「サーフィンのポイントを見たい」「海に近いアパートの家賃相場や間取りは」などの要望にも応えてくれる。1人でも自家用車がなくても週末でもOK。おしゃれな移住体験施設も利用できる。

移住者就業支援マッチングサービス

牧之原市へ移住し、市内の就業先を探す際、市が行う移住者の「就業支援マッチングサービス」を利用できる。市が就業を希望する移住者の情報を、市内の登録事業者約50社に提供しマッチングを図る。正規雇用、パート・アルバイトにも対応。仕事とサーフィンを両立する移住サーファーを多数生むことにつながっている。

お問合せ先:牧之原市役所 都市住宅課
0548-53-2633

次回の第2弾では、宮崎県日向市、宮崎県宮崎市、高知県東洋町、福島県南相馬市の情報をご紹介します。

※本記事の内容は、全国で無料配布されているサーファー向けガイドブック「ビーチコーミング・マガジン 2024年版」の内容を、一部抜粋して公開しています。

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