「海暮らし・サーファー移住」全国サーフタウンの取り組みを紹介(その②)

海近くの暮らしを実現するためには「移住」という選択肢もある。住み慣れた土地を離れての新生活は、仕事や住まいなど現実的な課題は多いが、国や地方自治体の支援制度を活用することで、そのハードルを下げることも可能だ。

本記事では、移住支援に力を入れているいくつかの自治体をピックアップ。前回の第一弾記事と併せて、将来の“海暮らし”を考えるサーファーはぜひ参考にして欲しい。


④ 宮崎県日向市

宮崎県の北部沿岸に位置する日向市では、毎年、JPSAやWSLの試合が開かれるお倉ヶ浜を抱える。お馴染み「ヒュー!日向」のキャッチフレーズで、サーフィンで町おこしに取り組んでおり、県内外から多くのサーファーが訪れる。

日向市の移住支援金

東京23区や三大都市圏等(名古屋圏、大阪圏、福岡県など)の在住者または通勤者が日向市へ移住し、支援金対象となる法人に就職、または、市内で起業、自己の意思で市内でテレワークするなど、一定の条件を満たせば、「移住支援金」が受けられる。

・一世帯あたり100万円。18歳未満が帯同した場合、さらに100万円が加算
・単身世帯は最大60万円
※対象地域で、移住直前に連続して1年以上かつ、過去10年間で5年以上、在住または通勤していた人などが対象
※転入後、1年以内に申請

お試し滞在

移住を検討する人のための「お試し滞在施設」が2棟用意されている。いずれも3DKの一軒家で、家具・家電、調理器具、食器、寝具などがそろう。食材、タオル、洗面用具などは各自が持参し、1世帯1泊1000円で借りられる。期間は14日以内。また、市内で移住活動を行う際のレンタカー代金も1日3000円以内の実費で補助される。

問合せ先:日向市役所 総合政策課
0982-66-1001


⑤ 宮崎県宮崎市

宮崎県の県庁所在地であり、サーフィンが1年中盛んな宮崎市は、都市の利便性を享受しながら海を身近に感じられる貴重な地域だ。宮崎空港から車でわずか10分の木崎浜ではNSA全日本選手権や世界大会も開催。

宮崎市の移住支援金

東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)、大阪圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)、福岡県からの移住者が、支援金対象となる求人に応募し就職、または、自己の意思で市内でテレワークするなど、一定の要件を満たせば、「移住支援金」が受けられる。

・2人以上の世帯の場合、100万円を支給。18歳未満が世帯員として帯同した場合、さらに一世帯あたり100万円を加算。
・単身世帯の場合は、移住前の居住地によって60万円または30万円を支給。
※その他、詳しい要件については移住センターまで。

移住コンシェルジュ

移住に関するワンストップ相談窓口として、移住センターが市役所内に常設されており、移住コンシェルジュが、移住前・移住後をサポートしてくれる。移住に役立つイベントの企画・開催、リーフレットやWEBで移住者の体験談を紹介するなど、宮崎市の移住の情報も積極的に発信している。また、遠方に住む移住検討者に配慮したオンラインでの空き家内覧会や相談会も開催している。

問合せ先:宮崎市移住センター
0985-44-1042


⑥ 高知県東洋町

東洋町は高知県最東端の町で、生見海岸は年間約10万人のサーファーが訪れる。1997年には世界最高峰のWCTイベントを開催。多くのプロサーファーを輩出しており、町もマリンスポーツによる観光客誘致に力を入れる。

東洋町の移住支援事業制度

東京23区の在住者または通勤者が東洋町へ移住し、移住支援金対象法人や専門人材として就職、または、県の補助金を受けて市内で起業するなど、一定の条件を満たせば「移住支援事業補助金」として受け取れる。

・一世帯あたり100万円。18歳未満が帯同した場合は、1人につき100万円が加算
・単身世帯は60万円
※移住直前、連続して1年以上かつ、過去10年間で5年以上、東京23区に在住または東京圏から東京23区に通勤していた人が対象
※詳細は東洋町役場に要問い合わせ

高知家で暮らし隊

東洋町に限らず、高知県へのU・Iターンに興味がある人を対象にした無料会員制度。仕事や住まいの最新情報がメールで届き、交流イベントにも招待される。また、移住前後で必要となるレンタカー代や引っ越し割引などの特典が受けられる。累計8000人以上が登録している。高知への移住者は10年前から約10倍に増加。8割以上が20~40代という。

問合せ先:東洋町役場 産業建設課
0887-29-3395


⑦ 福島県南相馬市

福島県の北部沿岸、南相馬市に位置する北泉海岸は一年を通してコンスタントに波があることでも知られる。2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の過程で、移住者への手厚い支援が特徴的。

移住支援金事業

南相馬市を含むふくしま12市町村の移住支援金事業として、5年以上居住する意思を持って、県外から南相馬市へ移住し、移住後働いている場合、対象となる。

・2人以上世帯は200万円
※東京圏からの移住で18歳未満の子どもが帯同した場合、さらに100万円が加算。
・単身世帯は120万円
※移住直前、連続して3年以上県外に在住していた人が対象になるなど、各種要件あり。

移住検討者の交通費も補助

移住検討者が市内で移住活動を行った際のレンタカーやタクシー利用料金にも補助金が出る。対象は県外の居住者。
・レンタカー上限1万3200円
・タクシー上限1万9千860円
※同一年度内に3回まで申請可能。1回の申請でレンタカー、タクシーの併用は不可

問合せ先:南相馬市 移住定住課
0244-24-5269

次回の第3弾では、千葉県南房総市、三重県志摩市、北海道厚真町の情報をご紹介します。

※本記事の内容は、全国で無料配布されているサーファー向けガイドブック「ビーチコーミング・マガジン 2024年版」の内容を、一部抜粋して公開しています。

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