あたたかいキャラかクールな人か?いずれにせよサーファーは今日もゴシゴシ、地球のどこかで・・・。 photo by Ryo Ri
シリーズ「おいらはサーファーの味方」⑤
サーフワックス。つまり滑り止め。借りたり貸したりと友情を育む効果あり。もうなん個買っただろう。なん個置き忘れただろう。なん個貸して戻って来なかっただろう。なん個借りて返さなかっただろう。なん個車で溶かしてしまっただろう。いつも脇役ですが、ないと困るワックス。ワックスでサーフボードは汚れます。でもちゃんと塗らないと滑ります。サーフワックスは永遠です。サーファーは使い続けます。たぶんサーファーはサーフワックスが好き。理由はわからないない、少なくとも僕は好き。大好きではない、ただ好きそれだけ。ということでワックスに関するお作法と本音。
ブランドはなにが良いか?
キリンラガーとスーパードライほどの違いがあるかないか。老舗ブランドもいくつかあって、どれも良いワックスだけど他の製品とぜんぜん違うかというとそうでもないかな。ひとつに決めて使い続けるもよし、いろいろ浮気するもよし。
借りるばっかじゃなくてたまには買おう。
水温は何を選ぶか?
地域差はあるけどCoolとWarmの二つあれば十分。これでだいたい間に合います。ワックスは柔らかいか硬いかだから、水が冷たければ柔らかいCool、温かければ硬いWarmを使う。ベースコートは硬いワックスだからバリに持っていけばTropicalとなります。つまりTropicalは硬くベースコートに使えるということです。夏は水を張ったバケツにワックスを入れておくという方法もある。
どうやって塗るか?
ボトムには塗らない。それ以外はルール無し。ベースコートはワックスを塗りやすくするワックスで、必ず必要というわけでない。ボードに塗るエリアは人によってさまざまだから、俺流でいきましょう。上手に塗れると均一にワックスの凹凸ができてきれいです。塗ったワックスが溶けないようにサーフボードに対する細やかな配慮は不可欠ですね。熱で溶けたりした跡があると格好悪いからね。ちなみに地面にサーフボードを置いてワックスを塗ってはいけません。ボトムが傷つきます。
必ずさっと一塗りの効果
塗らなくてもいいかなとデッキを見て判断しても、軽くさっと一塗りしておくのがお勧めです。テイクオフしてボードに立ったときにその一塗りぶんが足の裏に着きグリップが高まるからです。サーフボードだけでなく足の甲にワックスを塗る人もいます。海の中で足の裏と甲をゴシゴシしてグリップを高めます。雨などで海水が濁っているときは滑りやすいと思ったほうがいいです。そういうときはコームが効果あり。
コームは超便利
ワックススクレーパーの、あのギザギザの使い方を知らない人がけっこういる。あれはコームと呼びデッキに塗られたワックスにスジを入れる役目がある。寒いときはワックスを塗りやすくしたり、スジを入れて滑り止めの効果を高めたりする。コームでスジを入れるだけでも驚くほどグリップ力が上がります。
ワックスをはがす方法
夏の暑い日にワックスをはがすのが一番良い。ビーチにサーフボードを置いて日光で溶かし、そこに焼けた砂をかけてこすれば簡単にはがせるけど、こすりすぎて手の皮がむけることがあるから注意してね。砂で落としたワックスのゴミは必ず持って帰ろう。家の中ではワックススクレーパーではがしてリムーバー液で拭き取るというやり方が一般的。ジッポーのオイルで溶けるという話も聞いたことあるけど試したことはないです。さて僕の場合1年くらいワックスをはがしていないボードがある。いや2年くらいははがしてないかも。まあとにかくワックスのゴミが出たら適切に廃棄しよう。ファクトリーではワックスをフォームダストではがしますね。あれは不思議なくらいワックスが落ちる。
エコフレンドリーか?
一般のサーフワックスの主成分はパラフィンでいわゆるロウではない。パラフィンは石油由来の成分です。そう聞くと自然環境の汚染をイメージしてしまう。サーフワックスは海を汚している?でもね海の環境に一番大きなダメージを与えているのは、じつは人間の生活排水だってあなたは知ってますか? つまり食べ残しや排泄物の海への大量投棄が原因で海は汚れているのです。つまり海を汚しているのは石油だけでなく、オーガニックなものも含めて、人間が捨てるゴミ全てに原因があるのです。
(李リョウ)