シリーズ「おいらはサーファーの味方」No. 52
サーフィンがうまくなる近道は1つだけ、それは『パ・ド・リ・ン・グ!』
パドリング理論ではなく、パドリングの真実を知り、サーフィン上達(じょうたつ)に役立てよう。
波をサーフする喜び
サーフィンは、うまくなればなるほどおもしろい。波を滑るだけなのに、どうしてこんなに楽しいのだろうと思う。 波の上に立った瞬間から、身体の五感に感じるあのふしぎなフィーリングは、快感?それとも瞑想(めいそう)?なんと表現(ひょうげん)していいかわからないが サーフィンはサーファーだけが知るフィーリングだ。セックスより良い!なんて言うヤバイ人もいる。
ところが、ビギナーには、サーフィンはあまりフレンドリーとはいえない。初めての経験で、サーフボードに立つことすらできずショックだった人も数知れず。なんとかあのフィーリングを感じてもらえたらと、ビギナーをサポートしてもそれは無理な話。波乗りのすばらしい感覚はすぐには得られない。

サーフィンは、ビギナーには優しくない
「上手くなれなくても~楽しめるくらいになれば良い」なんて言う人は、おそらくサーフィンを知らない人。『楽しめるくらい』になるのにどれだけ努力を必要するか、わかってないからそう言うのだ。
さて、ビギナーにとってサーフィンが難しい大きな原因はパドリングだ。パドリングはサーフィンに直結していて、車でいえばエンジン。『サーフィン楽しかったな~♬』という人はパドリングができる人。パドリングができない人は『サーフィンしようと思ったけど、波に乗れなかった。それどころか溺(おぼ)れそうになった』となる。笑い話ではない。
ビギナーにとってパドルは立ちはだかる壁。それを克服(こくふく)しないことには、波に乗るどころではなく、腕が上がらなくなってパドルができなくなってしまう。これは、しばらく海から遠ざかったサーファーにもあてはまる。 どんなにサーフィンがうまくても、パドルをしていないとサーフィンができなくなってしまう。それは、たとえ世界チャンピオンでも同じことなのだ。
海で楽しそうにサーフィンをしている人は、日頃からパドルをして鍛(きた)えているんだ、ということを理解しよう。『サーフィンが楽しめる人=パドルができる人』ということはパドルを克服すればサーフィンが楽しめるようになる。サーフィンが上手くなるかならないかはパドルが鍵を握っているというわけだ。
パドリングのなにが真実なのか?
さて、このコラムは『パドリングの真実』というテーマ。あなたのサーフィンが少しでも良くなるように、何回かにわけてアドバイスしたいと思っている。筆者のこれまでの経験(40年以上)を基にして、本音で書いている。わたし(筆者)がじっさいに経験と失敗を積みかさねて得たことだから、かならず役に立つ。
しかし、どこどこの筋肉をこうしろとか、ここをこうすればパドリングが楽になるよ、というようなコラムでは無い。 「その腕をこの角度で~そしてこの筋肉を使って~」と言われてあなたは、それを海で実践できるだろうか?サーフィン中にそれをずっと考えてパドルができるか? 理論としては正しくても実践(じっせん)できるかどうかが重要だ。
そんな理論は捨てていい。『パドルはパドルで鍛える』これが今回のコラムのキモ。ビギナーのときはぎこちないパドルでも、なんども実践していくうちに必要な筋肉が発達し、それなりのパドルの形が完成してくる。人間の身体はそうなるように作られている。よちよち歩きの赤ちゃんが、 普通に歩けるようになるのとおなじ。
パドルを制する者はサーフィンを制す
くりかえすけど、サーフィンがうまくなりたければパドル。でもどのくらいパドルが重要かははっきりしないと思う。じつはパドルはあなたが考えているよりも、もっともっと重要なのだ。ここにそのパドルの重要性を示すデータと画像がある。これは筆者がサーフしたある日のGPS時計(リップカール)による記録だ。

この日の、波のサイズは、頭からオーバーヘッドで良い波だった。筆者のライディングがどうだったかはともかくとして、500mサーフするために、なんと4800mのパドルをしていたというわけだ。 その日の海は混雑していてセット間隔も長かった。
海のなかでは移動のためだけにパドルをしていたわけではない。波を捕らえるためにいわゆる『ダッシュ』でパドルもしている。10本乗っているわけだから、 10回以上は波を捕らえるためにパドルの全力ダッシュを行なっているということだ。
まとめ
ビギナーを早く卒業するにはパドルを鍛えること。パドルはパドルで鍛える以外に方法はない。
(李リョウ)