サーフィン体験を中心に、こどもたちが海や海岸について学ぶための活動を続けている“海の学校”が本年度は5回開催と2回のイベントサポートの全7回あり、その全日程を終了した。
今年最後の教室は10月21日に開催された鵠沼教室。スポーツの秋を満喫できる清々しい秋晴れとなった21日。鵠沼海岸からは、雪化粧した富士山がくっきりと望むことのでき、優しい波はマリンスポーツ体験に打ってつけのサイズで、まさに“海の学校日和”となった。今年何度目かの参加者の方も見受けられ、スタッフも参加者や保護者の方も和やかな雰囲気が流れる教室。
長袖長ズボンのウエットスーツを着てしまうと、ビーチでは少し暑く感じる気温だが、海から上がると少し寒く感じる。でも太陽を浴びて少し遊んでいればまたぽかぽかとしてくる気候の中、夕方までを『海の学校ファミリー』としてみんなで楽んだ。
今年最後となる教室では、「湘南ビーチグラス」の参加でお昼休憩の時間にビーチグラスを使ったワークショップを開催。ビーチグラスに触れることで、海岸歩きの楽しみを覚えてもらい、海岸環境に目を向けるきっかけになれば、と考えての取り組みだ。
体験教室の方は、サーフィン・ボディボード・ボディサーフィンの3つをそれぞれ体験。午後はスポーツとしてのサーフィンをもっと知るために、プチコンテストを実施。
“コンテスト”と聞いて嫌がるお子さんもいるのでは!?と、事前の打ち合わせで話が出たが、参加の皆さんは想像していたよりすんなりと状況を受け入れ、熱心にルール説明を聞き、挑戦していた。練習の成果を出せた人もなかなか思うようにいかなかった人もみんな一生懸命に頑張り、海から笑顔で上がってきたことがとても印象的だった。
表彰式を始める前に、今日一日遊ばせてもらった海そして、お手伝いしてくれた先生やお父さんお母さんに向けて感謝を込めて「ありがとうございました!」の挨拶と一礼。ドキドキの表彰式では、スタッフ手作りのキャンデイメダルとレイが参加したみんなに掛けられた。そして特別賞にはビーチグラス細工のネックレスが渡され、会場を更に盛り上げた。
特別ゲストとして、久しぶりに海の学校へ顔を出した、鈴木彩加プロ。この数年ボディボードの世界大会を周り、なんと今年、日本人初のワールドチャンピオンという快挙を成し遂げて海の学校へ戻ってきた。彼女から参加者へ、世界の海の話をする日も近い。
2019年度の海の学校も子供たちの笑顔が沢山見られることを期待したい。
海の学校とは
私たちが開催を続ける「海の学校」は、便利さを優先した生活環境の変化に加え、東日本大震災後、各地で進む防潮堤建設などにより、自然と人との間に距離ができ始め、「自然と共にあった人間 の生活」を子供たちに伝えて行くことが難しくなっている現在に、ビーチ・波打ち際・波といった“海”の環境を使って、自然との触れ合いと、海岸・海洋環境への関心アップ、マリンスポーツ振興をテーマに置き、毎年開催を続けております。少しでも自然の大切さを伝えていきたいという想いを込め、海に関わりの深い私達から、海の楽しさ・危険を伝えることを通して、自然との触れ合いを感じてもらいたく、より良い開催の内容を考えながら運営しております。
「海の学校」は、海を生活の一部としている私達からのささやかな海への恩返しとして、一緒に未来の海との関わりを考えてもらえる人材を増やすことを目指し、今後も開催と情報発信を続けていきたいと考えております。
2006年に発足した“海の学校プロジェクト”は、活動の規模拡大を目的に、2018年3月より「一般社団法人 海の学校」として新たな一歩を踏み出すこととなりました。
(THE SURF NEWS編集部)