12月25日、五十嵐カノア(20)の日本サーフィン連盟(NSA)への登録手続きが大詰めを迎えていると、日刊スポーツが報じた。
現在、日本とアメリカの両国籍を有する五十嵐カノアは、米国選手としてワールド・サーフ・リーグ(WSL)のチャンピオンシップツアー(CT)に参戦しているが、早ければ2018年からは国籍を変更し、NSAの強化指定選手に加わる見通し。2020年東京オリンピックの代表選考にもなる、ISAワールドサーフィンゲーム(2018年9月・愛知県田原市)にも日本代表選手として出場する可能性が出てきた。併せて2018年のCTも国籍を変更し、CTでは初の日本国籍サーファーが誕生することとなる。
カノアは同日に都内で会見を開き、「親戚も家族も日本人。だから日本代表として出たい。」と報道陣に向け語った。
今月20日には、国際サーフィン連盟(ISA)とWSLの両名で、CT男子選手の10名が東京五輪出場権を得られることが発表されたことを受け、「東京五輪への道がクリアになって、CTトップ10に入ることがはっきりと来季の目標になった」とも語った。
つい先日ハワイのノースショアにて、当THE SURF NEWSでも、カノアにオリンピックに関するインタビューを試みたが実現せず。カノアには2012年にマネジメント契約を締結したIMGや、2017年に所属契約を結んだ木下グループなどサポート企業の存在があり、直後のこの会見が控えていたことと、関係があったのかもしれない。
なお、カノアの両親は日本人で、米国カリフォルニアで生まれ育ったため、現在は日本と米国の二重国籍。日本の法律上、22歳になるまで(カノアの場合2019年9月30日まで)にどちらか国籍を選択する必要がある。
国籍選択までのタイムリミットはまだあるように思えるが、日本の業界内では、「このタイミングでの意思表明は嬉しい」との声も聞かれる。
初めてサーフィンが正式種目となる2020年東京五輪にて、世界レベルで実績のあるカノアが日本代表として出場するともなれば多方面から注目されることは間違いなく、またその前哨戦となる2018年・2019年のCTやISAワールドサーフィンゲームもこれまで以上の盛り上がりをみせることだろう。
また、将来の国籍問題やオリンピック代表に関する意向については、これまでも各方面より注目を集めていたが、例え実績のあるカノアと言えど、この意思表明が遅れれば遅れるほど、米国選手としての五輪出場が難しいから日本に来たのではないか、などあらぬ噂を巻き起こしてしまう可能性もなくはない。このクリスマス会見は、カノアの日本代表を望む国内のサーファー、サーフィン業界にとって最高のプレゼントニュースだったのかもしれない。
2017年5月にQS6,000千葉一宮オープンで帰国中のカノア
■五十嵐カノア
1997年10月1日、米国カリフォルニア州生まれ。同州ハンティントンビーチをホームとし、WSLが開催する世界最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)に参加。2017シーズンは前年より順位をあげCTランキング17位でフィニッシュ。3年連続となるツアー参戦を決めた。
情報元:
日刊スポーツ|サーフィンの五十嵐カノア「日本代表で五輪出たい」
日刊スポーツ|五十嵐カノア、サーフィン金候補は日本の強化指定へ
COVER PHOTO: 2017 Vans US Open of Surfingで優勝した五十嵐カノア © WSL / Van Kirk