冬がベストシーズンになるハワイのノースショア。
年末年始のオアフ島はグッドコンディションに恵まれてこの時期らしい賑やかな毎日が続いていたが、ノースショアの波は常に危険と隣り合わせであり、1月8日の月曜日はアクシデントが重なってしまった。
午前中、多くのトッププロやローカルによるセッションになっていたノースショアのメイン舞台、パイプライン、バックドア。
2017年の『Billabong Pipe Masters』のトライアルで優勝した元CTサーファー、ダスティ・ペイン。
言わばこのブレイクのスペシャリストでもある彼がバックドアでワイプアウトした際にリーフにヒットして意識を失ってしまった。
周囲のサーファーに助けられてライフガードの救助により意識は取り戻したが、そのまま病院送りに…。
ダスティと同じラインナップにいたハワイアンのライダー・ゲストがその時の状況を伝えた。
「彼はドロップに失敗して頭と顔を珊瑚礁にヒットして水面に浮き上がってこなかったんだ。皆が口笛で合図してそれに気付いた自分は彼のボードを引き上げようとした。その後、ジミー・ネイパヒや他のサーファーが彼を助け、ようやく浮かんできたのさ。彼はビーチに着くまで意識がなかったけど、岸に上がって数分後には意識が戻った。でも、血だらけで危険な状況だったね。ライフガードが彼に酸素ボンベを与え、10〜15分ほどで安定してきた。そして、救急車がやってきたんだ」
1月8日のノースショアのアクシデントはこれだけでは無かった。
ダスティの事故から数時間後、ロッキーで40代後半の男性が溺死。
詳細は不明だが、ライフガードが着いた時にはすでに手遅れただったとか…。
華やかな舞台の裏でこんな惨状もあるノースショア。
2015年の『Billabong Pipe Masters』の最中にはオーウェン・ライトがパイプラインで頭をリーフにヒットして脳出血。
更にビード・ダービッジが骨盤2カ所を骨折。
共に選手生命を脅かされ、長いリハビリを強いられたことが記憶に新しい。
犠牲者の家族や友人などに深く哀悼の意を表し、ダスティの回復を祈る。
COVER PHOTO: © WSL/Poullenot