東京2020五輪の新競技に決定して以来、世界的に注目を集めているサーフィン。5月初旬に五輪会場である千葉県の釣ヶ崎海岸(通称志田下ポイント)で開催された大きな国際大会一宮千葉オープンに続き、史上初となるジャパンオープンオブサーフィンが行われ、サーフィンの五輪日本代表選考が一歩前進した。
そんな中、アメリカでも五輪に向けてサーフィン界が盛り上がりを見せている。アメリカのオリンピック・パラリンピック代表選手や候補選手の日ごろの活躍を称える賞「Team USA Awards」にサーファーとして初めてキャロライン・マークス(フロリダ)とジョンジョン・フローレンス(ハワイ)が月間アワードにノミネートされ、弱冠17歳のキャロラインが4月のベスト選手に選ばれた。
Team USA Awardsについて
「Team USA Awards」は、男女別にオリンピック・パラリンピック選手や候補選手、またチームやコーチなどにも与えられる賞。
以下3つの部門から構成されている:
Best of the Month(毎月のベスト)
Best of the Year(毎年のベスト)
Best of the Games(五輪大会ベスト)
50年近く続いている部門もあり、ファン投票が審査評価の5割を占める注目度の高い賞である。 毎月各五輪種目からノミネートされた選手の中から最も活躍した5人が選ばれ、Best of the Month賞のファイナリストになる。夏季・冬季オリンピック・パラリンピック・パンアメリカゲームズ種目の選手が対象で、サーフィンの選手がノミネートされたのは今回が初めて。
キャロラインやジョンジョンの活躍を評価
女子CT(チャンピオンシップ・ツアー)最年少のキャロラインは今年ゴールドコーストでの1戦目を制し、2戦目でも3位を記録して、現在女子ランキングのトップを走る。昨年Rookie of the Year(新人賞)に選ばれて以来、調子をキープしている。
「オリンピック選考が行われる今シーズン開始早々、キャロラインとジョンジョンは感動的なパフォーマンスを見せた。」とUSAサーフィンのCEOグレグ・クルーズがコメント。
USAサーフィンのアシスタント・コーチのブレット・シンプソンは、「出だしから絶好調。オフシーズン中にも明らかに進歩を遂げていて、サーフボードも自信も最高潮だ」と述べた。
2度のワールドチャンピオンのジョン・ジョン・フローレンスは、大怪我から1年近く療養に専念し、復活戦となった今シーズン1戦目で3位、2戦目のベルズ・ビーチで優勝し、メンズのランキング1位に返り咲いた。
「ジョンジョンのライディングは穏やかでリラックスしているが、ターンではアグレッシブさを見せてくれる。レイバックのトップターンは高く評価され、どんな相手でもかなわなかった」とUSAサーフィンのヘッド・コーチのクリス・ギャラガー・ストーンは期待をよせる。
審査員及びファンによる投票の結果、4月のベスト選手に選ばれたキャロラインは、今後サーフコミュニティだけでなく米国内でも広く注目を集める選手になるだろう。2020年に向け各国のサーフィン代表候補選手が、自国でどのように注目を集めていくのかも楽しみだ。
(ケン・ロウズ)