先日、CTイベントとして開催されたフレッシュウォータープロ。同イベント会場となったのは、ケリー・スレーターによるウェイブプール「サーフランチ」でした。
サーフランチでは絵に描いたようなパーフェクトウェイブがブレイクすることから、誰もが乗ってみたいと思うものの、カリフォルニア州レモーにあるのはデモ施設で一般公開されていません。
世界的にウェイブプール業界の競争激化に伴い、サーフランチの一般公開も時間の問題と思われていて、事実、今年にはケリーのホームであるフロリダ州で一般オープン予定となっていました。
しかし、フロリダでの建設は予定地の地下水位が問題となって中止となり、サーフランチの一般公開は先延ばしとなりました。
また、フロリダに続いて建設予定であった千葉県木更津のサーフランチについても、オリンピックの海開催が決定となってから音沙汰がなくなってしまいました。
なのですが、“一般サーファーがサーフランチでサーフィン”という夢に、一筋の光が差すニュースが浮上。
なんとオーストラリアのクイーンズランド州での建設予定をWSLが発表したと報じられました。建設地となるのは、ゴールドコーストの北側に位置するサンシャインコースト。
総工費は3,000万ドルと報じられていて、現地のサーフランチ建設推進者たちはコストについては口を閉ざしているとの事ですが、業界通によると最大で1億ドルに達する可能性もあると示唆するほどのビッグプロジェクトです。
以前にWSLのソフィー・ゴールドシュミットCEOがオーストラリアでも建設予定と言及していたのでオーストラリアでの建設計画は納得ですが、サンシャインコーストになったのには理由があり、2032年のオリンピックを見据えているそうです。
と言うのも、クイーンズランド州の州都ブリスベンは、2032年のオリンピック会場として立候補していて、誘致の上でサーフランチが大きなプッシュになると見込んでいるため。
ただし、オリンピックの誘致でプラスになるとは言え、オリンピック関係の大型建造物は日本でも「負の遺産」という言葉が使われるほど、オリンピック後の維持管理費が重荷となるケースも。実際2024年パリ五輪組織委員会は、巨額のインフラ投資が必要な人工波施設での実施を否定しています。
ですが、オーストラリアの見解は極めて前向き。クイーンズランド州のケイト・ジョーンズ観光大臣は以下の声明を出しています。
サンシャインコーストは国内外からの観光客から人気が高まるエリアの一つと位置付けていて、サーフランチは世界中の人を魅了する大きな目玉になるでしょう。
サーフランチのようなアトラクションは、観光客を魅了するだけではなく、雇用創出や景気刺激となり、ローカルビジネスの活性化にも繋がると考えています。
さて、数週間後に住民説明会が行われると言うことで、まだまだ初期段階と言えるサンシャインコーストでのサーフランチ建設計画。
かなり時間はかかると思いますが、世界初となるサーフランチの商業施設第一弾の誕生が現実となるのか注目です。
参照記事「Kelly Slater Surf Ranch To Be Built On The Sunshine Coast|Surfing Queensland」