2019年の『SURFER AWARDS』、ベストシリーズ賞を受賞したVANSのYouTubeチャンネル、「Weird Waves」
ディラン・グレイヴスが世界中の変な波を求めた旅は2020年も続行。
シーズン2のエピソード1、アラスカでの氷河&リバーサーフィンは壮大な自然を感じさせ、なにより氷河を利用してのサーフィンは想像の限界を超えたインパクトある映像だった。
エピソード3はポルトガルでのフェリーサーフィン
シーズン2のエピソード3は「Weird Waves」初登場のポルトガル。
ブルーカラーの町、バレイロからリスボンを結ぶ通勤フェリーによって起こる波が舞台。
ここは以前にInstagramで話題になり、合成か?と疑ってしまったほどクオリティの高い波で有名。
ポルトガルのサーフィン雑誌に大々的に紹介されたこともある。
今回の案内人はリカルド・カラホラ。
ポルトガルの多くのサーファーのように海でのサーフィンに明け暮れた彼だが、15年前に運行が始まった通勤フェリーによって起こる波を発見。
この波を『GASO-LINE』と名付け、友人と共にコミュニティを広げ、現在は組合を作って代表としての地位を築いた。
WSLのビッグウェーブイベントやQSにも出場するニック・ヴォン・ラップも今回のセッションに参加。
世界中の波にトライする彼も『GASO-LINE』でのサーフィンを経験済みだ。
ここでのサーフィンの方法は「Weird Waves」らしく独特。
川に入り、みんなでフェリーを待つ。
なんともシュールな映像だが、一度波が起これば一同興奮。
リバーサーフィン同様に波は限られているため、みんなでシェアして波に乗るのが普通。
当然、海のような争いはない。
海でも多方向のウネリによって「A-frame」と呼ばれる三角波が出現するように、『GASO-LINE』ではフェリーが交差すると同じような現象が起きる。
それを理解したディランは、最後の最後にまるでニュージーランドのラグランの小さな時のような長いレフトに乗ることに成功。
このフェリーで生まれる波は合成ではなく、紛れもなく本物だった。
(黒本人志)