3月19日にカリフォルニア州が全米初となった州全体における外出禁止令を発令してから1か月余り。約2メートルのソーシャルディスタンスを保てることを条件に運動目的の外出は許可されているものの、多くのビーチでは大人数で集まっていたため、州立公園に当たる海岸やその駐車場も閉鎖した。
当初1か月の閉鎖予定だったが、ロサンゼルスでは5月15日まで延長、他の自治体でも当面の延長を続けている。一方で、カリフォルニア北部のサンタクルーズをはじめ、世界では一部開放されるビーチも出てきた。
ビーチごとに異なる決まり
カリフォルニア州が管理している「州立ビーチパーク」の中でも、サンクレメンテのように立ち入りを禁止する「完全閉鎖」とハンティントンのように地元住民に限定して解放している「車両乗り入れ禁止」と2通りの閉鎖がある。また自治体が管理しているビーチに関してもそれぞれの自治体が閉鎖や条件付き開放、完全開放を決めているところがある。
禁止令への不満も
サーファーによる混雑のため、4月7日からトラッセルズやティ・ストリートなど人気のサーフポイントが完全閉鎖された。豪Stab誌によると、その翌日、禁止令に反して一人のサーファーが忍び込んで入水したが、ライフガードが登場して逃走した。その後2名のサーファーがボートで登場。沖合でボートを停めてからラインアップに入ったが、約30分後にはボートが何らかの理由で流され波で転覆、逃げ場を失った2人が待ち構えていた警備隊員に身柄を拘束された。
そんななか、サンディエゴにあるコロナド市長Richard Bailey氏は、サーフィンは外出禁止令に違反するとの規制について見直しを求めている。
「サーフィンは違法であることはおかしいと思いませんか?」「ソーシャルディスタンスを守って歩道で歩くのはいいのに、海でカヤックするのは違法ってのはどういうことでしょうか?」
Bailey氏は規制の合理的な適用を求める署名活動を始めた。
また、アメリカ各地で外出禁止令に反対するデモが起こり、ハンティントンやサンクレメンテでは商売や集会の規制の解除を求めるデモには200人ほど集まったと警察が発表した。
サンタクルーズ、フロリダ、シドニーの一部ビーチは開放へ
カリフォルニア州北部サンタクルーズではイースターの祭日を含む1週間だけ全てのビーチを閉鎖して、4月16日に予定通り閉鎖が解除された。サンタクルーズの市警察局長Andrew Mills氏が「お願いだから、集団で集まらないでください。そのようなことがあったら、また閉鎖をしなければならなくなる」と、市民の協力を呼び掛けた。米Newsweek誌の報道によるとカリフォルニアや他の州でも規制を緩めるための計画を立て始めている。
米SurferMagazineによると4月17日にフロリダのジャクソンビルで数週間ぶりにビーチが解放され、多くの利用者でにぎわっていた。またオーストラリアのシドニーでも一部のビーチが運動目的のためだけ1か月ぶりに解放したというニュースもあるが、人気のボンダイビーチは閉鎖したままだ。カリフォルニア他、海外のサーフビーチの今後の動向に注目したい。
ケン・ロウズ
≫各地域の連盟や自治体からの自粛要請、駐車場の閉鎖やイベント中止情報は「新型コロナウイルスによるサーフィン業界への影響まとめ」にて更新中