4月22日、日本サーフィン連盟(NSA)は「全てのサーファーの皆さんへ」と題したメッセージを発信。同連盟は2月から数回にわたり、不要不急の外出を避けることや、各地方連盟の要請を尊重するよう呼びかけてきたが、所属会員を超え一般サーファーに対して呼び掛けるのは異例だ。
以下、22日のNSA発表文を掲載する。
全てのサーファーの皆さんへ
会員の皆様には、連盟事務局のテレワークに理解をいただき、誠にありがとうございます。そして、地方への移動自粛、行政機関の指示の厳守にご協力ありがとうございます。全国70の支部長の皆様におかれましても、各地でガイドラインの徹底、サーファーのモラル・マナーの向上の為の活動、感謝致します。
全てのサーファーの皆さんへ、緊急事態宣言が発令中の不要不急の外出自粛を守ってください。
既にビーチクローズしている海岸では大人だけでなく、子供達やオリンピックを目指すアスリートまでもが海に入ることを自粛しています。
県をまたいでの外出は無論のこと、不用意に生活エリアを超えた移動をしないこと、それが命を守ることにつながります。接触機会の8割減少をクリアすることで、早期の収束を迎えることができます。5割6割ではこの状態が、長く続いてしまいます。
外出自粛の意味を一人一人がよく理解してください。今、私たちが出来ることは、コロナ感染のリスクを無くすこと、出掛けない、人に会わない、一番大切なのは、Stay At Home です。
千葉県の森田知事が、苦渋のお願いとして、他県のサーファーへ千葉に来ないでくださいと訴えました。17日には千葉外房の市町村から、不要不急の来訪を控えるよう要請が出されました。
地方ではご高齢の住民が多く、医療資源の限られる町に、多くのサーファーが訪れることに危機感を抱いています。恐怖心から駐在所に駆け込む方もいると聞きます。他県の来訪を止めるための措置として、サーフポイントの駐車場の多くが閉鎖されています。既にビーチクローズし、サーフィン禁止となった海岸が全国で多く見られます。町をあげての外出自粛、休業や時短などの取り組みが無駄にならぬよう、都道府県、市町村、地元支部、海岸ごとの禁止事項を必ず守ってください。
求められているものは「社会への責任」です。大切なのは命を守る事。自分を守る事で、家族を守る、仲間を守る、弱い人たちを守る事につながります。
今後、5 月の大型連休では、旅行などで県境をまたいで人が移動する可能性が高まります。緊急事態対象地域の拡大は、社会に警鐘を鳴らし、地方に感染が広がる事態を防ぐ狙いがあります。
ほとんどの皆さんが、ご対応していただいている中、恐縮ではありますが、再度、ご協力をお願い申し上げる次第です。
私たちサーファーは、海と自然が大好きで波に乗ることが幸せです。自然のもたらす魅力だけでなく、怖さも肌で感じています。危機状況である今を乗り越え、心穏やかに海に行ける日が早く来ることを目指して、Stay At Home。
サーファーが一丸となって、新型コロナウィルス感染症に打ち勝ちましょう。
(中略)
最後になりましたが、今回の新型コロナウィルス感染症に対し、長期にわたる医療体制に携わる医療関係の皆様に、心より感謝と敬意を申し上げます。
2020 年4 月22 日
一般社団法人日本サーフィン連盟
理事長 酒井 厚志
詳細:http://www.nsa-surf.org/news/20200422/
緊急事態宣言が全国に拡大され、各地のサーフポイントで駐車場の閉鎖が相次ぎ、自治体や地方団体から来訪自粛を呼びかける動きも強まってきている。4月20日には千葉県の森田知事が、22日には神奈川県の黒岩知事がサーフィン等目的での県内来訪を控えるよう呼びかけた。
地方によっては、サーファーの来訪が絶えないことを受けて、当初の他県からの来訪自粛要請を強め、駐車場閉鎖や海岸閉鎖をし、地元サーファーも海に入らないよう呼びかける地域も出てきている。大型連休を前に、医療機関の少ない地方は危機感を強めている。
世間ではサーフィン=レジャーというイメージはまだまだあり、ここ数日、各局報道番組やスポーツ紙などで海に多くのサーファーがいることが報じられ、「不要不急の外出自粛に応じない国民がいる」などと批判されるケースが相次いでいた。
(THE SURF NEWS編集部)
≫各地域の連盟や自治体からの自粛要請、駐車場の閉鎖やイベント中止情報は「新型コロナウイルスによるサーフィン業界への影響まとめ」にて更新中