今後のサーフシーンにおけるゲームチェンジャーになると言われている人工的に波を発生させるウェイブプール。
特にモダンウェイブプールとカテゴライズされる近年のウェイブプールは、海の波に限りなく近いクオリティに仕上がっています。
そんなウェイブプールですが、欧米を中心に新型コロナウイルスによるロックダウンが段階的に緩和されてきている現状においてオープンしているのか気になるところ。現在の一般公開されている施設の営業状況と、新規参入情報についてまとめました。
ウェイブプールの現状
モダンウェイブプールは商業施設として一般オープンしているのはごく僅かで、現状では世界の中でも4施設のみ。オープン順に施設名と使用している造波装置は以下の通りとなります。
*サーフ・スノードニア(英国ウェールズ)
ウェイブガーデン社の旧型造波装置
*BSRサーフリゾート(米国テキサス州)
アメリカン・ウェイブ・マシン社のパーフェクトスウェル
*ザ・ウェイブ(英国ブリストル)
ウェイブガーデン社の最新造波装置「The Cove(ザ・コーヴ)」
*アーバンサーフ(豪州メルボルン)
ウェイブガーデン社の最新造波装置「The Cove(ザ・コーヴ)」
現状としては、ウェイブガーデン社の造波装置がリーディングカンパニーとして一歩先を行ってますが、まだまだこれからの市場なのでどのような競争になるのかは分かりません。
運営状況についてですが、サーフ・スノードニア、ザ・ウェイブ、アーバンサーフは新型コロナウイルスの影響により休業となっています。
偶然ながら、ウェイブガーデン社の造波装置を使用しているウェイブプールが全て休業となっているものの、エリアガイドラインに左右されているだけです。
現状においてオープンしているのは米国テキサス州ウェーコに位置するBSRサーフリゾートで、5月12日に再オープンしました。
再オープンしたBSRサーフリゾートは、7~9時がプライベートセッション(貸切という意味)、9~19時がパブリックセッションとのこと。
また、ソーシャルディスタンスを考慮に入れ、ウェイブプールでは1セッションにおいて最大サーファー数は9名までとコロナ対策を定めているそうです。
新たなるウェイブプール参入社
ここまでは現時点において一般公開しているウェイブプールの状況をお届けしましたが、ウェイブプールは戦国時代といった感じで新規参入者が後を絶ちません。最近、米国でまた新たなウェイブプール開発が行われています。
プロサーファーのシェイン・マグナッソンとカラニ・ロブが、カリフォルニア州内陸の砂漠地帯となるパームスプリングスにてウェイブプールの開発に乗り出していて、オープン予定は来年の2021年。
現時点においてはまだ造波装置の改良に取り組んでいるのですが、面白いことに改良の行程を動画で公開しているのです。
これまでのウェイブプールシーンを見ていると、ウェイブプールの完成形を披露という形だったので異例中の異例という動きです。
デモ施設はあり造波装置の性能はお披露目済みなものの、まだ商業施設としてオープンしていないプールとして、ケリー・スレーターのサーフランチやオーストラリアのサーフ・レイクス社などがあります。基本的にウェイブプールは建設計画発表からオープンまでは延期続きが当たり前であり、すでに一般オープンしているウェイブプールも数年単位の延期を経ての完成でした。
そんな中、延期続きのウェイブプールと一線を画して予想以上のスピードでオープンしたのがBSRサーフリゾート。実は、同ウェイブプールのオペレーターを務めていたのがシェインでした。
シェインはBSRサーフリゾートでの実績があるので、彼をクルーにすることで「当然予定通りのオープンができる」というエンターテイメント的な演出を施設側が織り込んだようにも思えます。
ウェイブプールシーンにおいては経験者が極めて少なく、実際にBSRサーフリゾートを成功させたシェインが携わっているので注目度は極めて高いプロジェクトではないでしょうか。