本来なら記念すべきサーフィンデビューのオリンピックの開幕式だった2020年7月24日。
日本代表としての出場権を獲得している五十嵐カノアが、3歳でサーフィンを初めてから今に至るには家族の支えがあってこそであり、なかでも父・五十嵐勉氏の存在は大きな影響を与えた。そんなカノアと父の深い繋がりを紹介する『Like Father, Like Son』プロジェクトをスポンサーの’Beats By Dre’の提供で自身のInstagramに公開した。
「3歳の頃から海がホームだった。サーフィンが僕をここまで成⻑させてくれた。そして何よりいつも応援してくれてるみんなに感謝」
五十嵐カノア
「息子よ。覚えているか?」という言葉から始まる1分30秒のこの動画はカノアが生まれる前に父が抱いていた夢が舞台になっている。
その夢の中で五十嵐勉氏は初めてカノアと出会い、一緒に海に泳ぎにいく。
波が押し寄せる中、二人は海に潜り、海中に安らぎを見つける。多くのサーファーにとってはお馴染みの感覚だろう。
父は夢から覚めたカノアにこう呟く。
「ただ一つ言えることは、俺は今でも覚えている。心の中で。沢山の犠牲の中で。夢の中で。そして、君も覚えているはずだ」
この話が実話かどうかは分からないが、カノアと父の繋がりは深い。幼い頃からのサポートと励ましがカノアを現在の成功したサーファーへと成長させたのは間違いない。
カノアの次の目標はサーフィンのオリンピックでの金メダル。五輪でのメダルを獲ることは、父への恩返しにもなるだろう。
また、『GQ JAPAN』では本編動画と一緒に撮影されたドキュメンタリー動画も公開され、五輪への気持ちを語っている。
「ネイマールがでっかいスタジアムで世界中が注目するなかでパフォーマンスをするというBeatsの映像が目に焼き付いていて、サーフィンで同じシチュエーションがあるとしたらどういう大会だろうって考えました。やっぱりそれはオリンピックしかないと思った」
また、オリンピックの延期が決まった瞬間と今の心境についても、こう答えている。
「ちょうど家族でお昼ごはんを食べているときに知ったんですが、30分ぐらいはショックで、これからどうしようっていう感じでした。でも、“Everything happens for a reason.”という言葉があるんですけれど、きっとこの延期は僕にとって意味があると思い直しました。じぶんでは万全のつもりだったけれど、もしかしたらまだ準備ができていなかったのかもしれない。だからもうちょっと練習したほうがいいというサインだと考えて、前よりもっとトレーニングに力を入れようとポジティブに切り替えました。」
ドキュメンタリー全編動画は『GQ JAPAN』を見てみてほしい。
(空海)
参考記事:Igarashi Drops ‘Like Father, Like Son’ For Delayed Tokyo 2020 Opening Day | World Surf League