コロナ禍の世界を自由に動き回り、9月からはバリ島でのサーフィン動画が世界中のサーフィンメディアやSNSを騒がしているケリー・スレーター。
例年のこの時期だとコンディションが決まったバリ島のメジャーなリーフブレイク、ウルワツなどはローカルとビジターサーファーでごった返すことが多いが、コロナ禍の今年はローカルオンリー。
外国人は在住している一部のサーファーのみで、まるで70年代の開発が進んでいない頃のバリ島のラインナップに戻っている。
そんなタイミングで出現したケリーはローカルの間でも一目置かれる存在であり、ラインナップを共有する仲間として最高の一人と言えるだろうし、被写体としては世界一だ。
1年前からバリ島の素晴らしいセッションを動画として公開している「Surfers of Bali」の10ftクラスの新しい南西ウネリが入った10月11日のウルワツの映像にもケリーのライディングがしっかりとおさめられている。
カービングにヘビードロップからのバレルイン、ハイレベルなローカルセッションの中に入ってもケリーが乗れば一目瞭然。
もうすぐ50歳とは思えない驚異のバックハンドでウルワツの波を思う存分、楽しんでいる。
ケリーがこの時期にバリ島に滞在している理由は定かではないが、一つの可能性として12月にオアフ島・パイプラインで開催される2021年のCT開幕戦のウォーミングアップがあげられる。
すでにノースショアにはウネリが入り始めているが、まだパイプラインを覚醒させるレベルではなく、バリ島の方が圧倒的に練習にはなるだろう。
2019年のケリーは足の指の負傷から復活したものの、CTランキング8位と残念な結果に終わり、東京五輪のアメリカ代表の席もジョン・ジョン・フローレンスに奪われてしまった。
毎年シーズンが始まる頃に話題になる12度目のワールドタイトル獲得。
得意のパイプラインでバリ島でのウォーミングアップが実を結べば、ありえない話ではないだろう。
(空海)