韓国の首都ソウルから南に1時間ほどの距離にある埋立地「タートルアイランド」に10月8日オープンと告知されていた「Wavegarden」が正式にオープン。
セレモニーの模様とテストサーフィンのセッション映像が公式サイトで公開された。
この「Wavegarden」は次世代ウェイブプールの先駆けと言われているスペインのウェイブガーデン社の造波装置「ザ・コーヴ」を用いた商業施設。
数字上では世界中に点在するウェイブプールの中でも最長ライドを創り出すシステムで、アジア初。
現在はコロナ禍で出入国制限があるものの、日本からアクセスが良い韓国のため、欧米のウェイブプールよりも現実味を帯びるサーファーが多いだろう。
利用料金も大人55,000ウォン(約4,950円/1時間)とお手軽なので、サーフトリップの新たな場所として注目を集めそうだ。
WAVEGARDEN and DAEWON open the World’s Largest Surf Park in South Korea
オープニングセレモニー
オープニングセレモニーではWavegarden社CEOのジョゼマ・オドリオズローラ、スペインのアンバサダー、フアン・イグナシオ・モロがウェイブプールのスイッチを最初に押して正式に施設がオープンした。
その他、セレモニーには新型コロナウイルスの感染拡大防止の規定により、最大人数である100人のVIPが参加。
知事や市長などが含まれるなどVIPの顔ぶれを見るだけでも注目度の高さが分かる。
Wavegarden 韓国の最新技術と総合施設
今回、韓国にオープンした「Wavegarden」はヒザサイズのビギナー向けの波から上級者向けのバレル、エアー向けのセクションまで20種類以上の波タイプが揃っている。
ウェイブプールの一つの問題点である水処理のシステムも精密ろ過、オゾンと紫外線消毒、低化学塩素処理などの持続可能な処理をベースにこの場所のために特別に開発され、一年を通して透明で綺麗な水をた保つことを可能にした。
また、「Wavegarden」が建設された「タートルアイランド」にはカヤック、SUP、水泳などが楽しめる波のないプールや、第2段階の開発として6つのホテル、会議場、マリーナ、博物館が建設される予定。
「我々はサーフィンという素晴らしいスポーツとビーチライフスタイルを韓国にもたらしたことを嬉しく思っています。様々なサイズや形の波が安定して生み出せるウェイブパークはソウルの新しいビーチであり、家族連れ、プロサーファー、全てのサーファーのための場所になるでしょう」
はWavegarden社CEO ジョゼマ・オドリオズローラ
Wavegardenの歴史
「Wavegarden」の歴史は遡ること2005年。
サーファーでエンジニアのジョゼマ・オドリオズローラが数名で人口波のプロトタイプをデザインしたところから全てが始まった。
2010年、スペインのバスク地方のテスト施設が公開され、ツアーで訪れていたCT選手がその波に乗った映像が大きな話題になっていた。
その後、商業施設への可能性を模索した「Wavegarden」は桟橋に沿ってライト・レフトの波が同時にブレイクするシステムを開発。
2015年には初の商業施設サーフ・スノードニアをウェールズにオープン。
開業1年目で15万人の観光客を迎える盛況ぶりで、ワールドクラスのコンテスト『Red Bull Unleashed』を開催。
次世代ウェイブプールの先駆者としての地位を確立した。
2015年の年末、ケリー・スレーターのウェイブプール「サーフランチ」が公開されてから次世代ウェイブプールの市場争いが加熱する中、「Wavegarden」は商業施設を次々と建設。
2016年にアメリカのテキサス州に「NLand Surf Park」を建設、最大1,000の完璧な波を創り出すシステムはサーフィンメディア以外にも注目され、BBC、CNNなどの主要なネットワークやNYタイムズなどの出版物でも大きく取り上げられることになる。(現在はKelly Slater Wave Coが買収済み。)
2019年にはイギリスのブリストルに「The Wave」、オーストラリアのメルボルンに「URBNSURF」をオープン。
現在、バスク地方のテスト施設を合わせると4施設、今回の韓国は5つ目の施設になる。
更に2022年までにはスイス、ブラジルに2施設、スコットランド、カリフォルニアにもウェイブプールがオープンする予定だ。
「Wavegarden」の場所:https://wavegarden.com/locations/
(空海)