12月7日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で追加競技としてサーフィン、ブレイクダンス、スケートボード、スポーツクライミングが正式に承認された。
東京五輪で採用された野球・ソフトボールと空手は外れ、度重なるドーピング問題を抱えるウエイトリフティング等で10種目が削減。選手数も東京大会から600人少ない10500人となる中で、サーフィンへの期待が堅いことが改めて明らかになった。
サーフィンの会場については、CTの会場でもあるタヒチのチョープーが2020年3月にIOCから正式承認されたとISAが公表していたが、今回のIOC理事会での追加競技の正式承認によって改めて会場がチョープーであることも確認された。
タヒチのチョープーといえば世界で最も素晴らしいバレルが姿を現し、世界のトップアスリートが輝くことができる特別な場所。
このイベントの成功によってサーフィンがオリンピックに恒久的に組み込まれる可能性もある。
2020年10月に取り上げられていた地元住民によるオリンピック開催に伴う環境破壊の懸念については、IOC、ISA共に持続可能性を重要視しており、島の自然環境を保護しながら行うと公表している。
1年延期されて2021年に開催される東京オリンピックでサーフィンが初めてデビューを果たし、2024年のパリオリンピックでは世界的に有名なサーフィンの地であるタヒチでサーフィンの文化と遺産に敬意を表する。
同時に現代のサーフィン文化の中でチョープーが果たしている重要な役割にもISAは言及。
そして、パリの次の2028年ロサンゼルスオリンピックにも繋がることを願いたい。
「今回も選ばれたサーフィンはオリンピックの新しい時代に最適な競技です。そして、タヒチを開催地とすることは、パリ2024の創造的で包括的な精神の証なのです。この決定は大会開催に新しい革新的なアプローチを適用するというIOCの幅広い目標にも合致しています。 私たちはIOCとパリと共に2024年までのオリンピックの旅に参加できることに興奮しています。サーフィンがオリンピック競技に長期的に恒久的に参加するための大きなモメンタムが生まれたと信じています。チョープーのコンディションはアスリートを興奮させ、ファンを魅了する素晴らしいパフォーマンスの波を提供してくれます。男女を問わず、エリートサーファーたちは定期的にここで競技を行い、チョープーでオリンピックの栄光を勝ち取ることを熱望しています。競技者となる男性サーファー22名、女性サーファー22名。私たちは男女平等と公正なスポーツへの全面的なコミットメントを再確認できたことを嬉しく思います。私たちはパリ2024の友人たちと緊密に協力して仕事ができることを嬉しく思います。また、チョープーを背景に真の意味で壮大なオリンピックのビジョンに沿ったイベントを提供することを誓います。このゲームが何年にも渡って世代に触れる遺産を残すことは間違いありません」
ISA会長 フェルナンド・アギーレ
「アスリートとして、オリンピックに出場することほど大きな成果はありません。サーファーの間では2024年のパリ、特にタヒチが開催地ということに興奮しています。サーフィンの聖地であるチョープーは歴史と伝統に彩られた神聖な場所であり、私たちのスポーツにとって世界で最もエキサイティングで安定した波の一つであることは間違いありません。2024年のパリゲームズ、タヒチで私たちのスポーツを披露するのが待ち遠しいと私は仲間のサーファーを代表して言います」
ISA選手委員会・委員長 ジャスティン・デュポン
参考記事:ISA Celebrates IOC Confirmation of Surfing at Paris 2024 Olympics
関係団体も声明を発表
今回の決定を受けて、関係団体も改めて声明を発表した。
「パリ2024のサーフィン追加種目決定は、世界のサーフィン界にとってよりポジティブな弾みをつける決定と考えます。延期を超え、来年初めてのオリンピックサーフィン2020TOKYOで成功を成し遂げ、次のパリ2024につなげるよう、NSAとして最大限の努力をします。私たちはその為の準備を、国際サーフィン連盟と共に行なっています。また、パリ2024のサーフィン競技はTOPレベルを目指す日本人選手にとって新たな大きな目標の一つになります。強化指定選手制度やジュニア育成選手の発掘など、次の目標に向かってNSAにて新たな強化方法に取り組む方針です。2020TOKYO、パリ2024での日本人選手の活躍は、次のロサンゼルス大会へ繋がるだけではなく、日本のサーフィン界にとって将来的な資産になると考えています。」
日本サーフィン連盟
「IOCが2024年パリ五輪でサーフィンを正式承認したことを嬉しく思います。ISAの世界的なサーフィンスポーツへの取り組みと取り組みに感謝したいと思います。これはサーフィン競技にとって、そして特にWSLで活躍する世界最高峰のプロサーファー達にとって素晴らしい機会です。東京大会とパリ大会は、彼らがスポーツを披露し、彼らの知名度を世界中で向上させる素晴らしい機会となるでしょう。」
World Surf League CEO エリック・ローガン
ウィメンズがチョープーの波に挑めるのか?
チョープーがオリンピックの会場に選ばれたと聞いた時、多くの人はウィメンズはどうするのか?という懸念を抱いたと思う。
これだけウィメンズのレベルが上がった今でもCTの会場はメンズだけでウィメンズは2006年以来一度も行われていないのだ。
現にパリオリンピックの開催地の候補としてホセゴーやビアリッツなど4つのサーフタウンが上がっていたそうだ。
しかし、先日公表されたばかりの2021年CTスケジュールを見ると8月〜9月に第12戦としてチョープーが組み込まれ、ウィメンズも併催されることになった。
キャロライン・マークス、カリッサ・ムーア、レイキー・ピーターソンといった世界トップのウィメンズサーファーはすでにチョープーを始め、フィジーのクラウドブレイクなど危険なリーフブレイクにも挑戦しており、このような波でもサーフィンできる強さを示している。
ウィメンズがチョープーの波に挑めるのか?
もはや、その質問はナンセンスだろう。
(空海)
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