3月28日、日本サーフィン連盟(NSA)の2021年度定時社員総会で役員改選が行われ、4月1日から大村奈央を含む3名の女性と競泳オリンピアンの松田丈志氏が新たに理事に就任することが決まった。女性が理事を務めるのは連盟設立以来初めて。
13歳でワールドジュニアに参加して以来、2005年から2017年まで13年連続で日本代表として世界選手権に出場してきた現役アスリートであり、現在28歳の大村奈央。
NSA酒井理事長は、彼女を起用した理由として「アスリートの方を1名理事に入れたかった。彼女は世界選手権に日本代表として数多く出場してきたため、将来的には強化部などをみて欲しい。アスリートとしての知識を理事のなかにも反映していきたい」と説明した。
またこれまで世界選手権などのアンバサダーを務めてきた松田丈志氏の起用については、「これまで五輪4大会に出場しメダルも獲得している。“オリンピックの会場に魔物がいる”と言われるくらいだから、松田さんの経験を五輪出場選手に伝えて欲しい」と期待を寄せた。
このほかに新たに起用されたのは、元JPSAプロであり現川崎支部長の佐藤正麗穂氏と、日本大学文理学部体育学科の教授である松本恵氏。自身もサーファーである松本氏は、これまでNSA医科学委員会のスポーツ栄養士として強化指定選手の指導などにもあたってきた。
酒井理事長は、「以前から理事に女性を登用していこうという話をしていたが、これまで改選のタイミングなどが合わず、今回ということになった。今回は良い人選ができた。女性は有能な方が多いのでこれからもっと増えると思う」とコメントした。
なお、酒井厚志理事長、宗像富次郎副理事長、井本公文副理事長、関口嘉雄理事、清水雅裕理事、立山勝己理事の6名は続投。いずれも任期は4月1日から2年。理事は全部で14名から10名となり、意思決定スピードの早い「コンパクトな理事会」を目指すという。女性理事の割合は30%となり、現在約20%とされる五輪組織の女性理事の割合よりも大きく上回る。
WSLは2019年から男女の賞金を同額化、ISAは2018年から世界選手権の出場枠数を男女同数にし、最近では女性ジャッジの育成を推進するなど、ここ数年でジェンダー公平の流れが一気に加速しているサーフィン界。組織委は今後「4割女性理事」を目指すとのことで、日本のサーフィン界にも更なる取り組みを期待したい。
(THE SURF NEWS編集部)