6月16日、American Wave Machines社は、静岡県牧之原市静波に整備された「静波サーフスタジアム」の最終的な試運転を6月末に実施することを発表した。
併せて、7月12日からアスリートのトレーニングやエキシビション、五輪に向けたイベントを実施し、五輪サーフィンチームのトレーニング施設としても使用可能となるとも発表。
コロナ禍における入国制限の関係でアメリカの技術者が日本に入国できず開業が延期されていた「静波サーフスタジアム」。今回の発表では一般利用向けの開業日については触れられていないが、開業に向けて大きく前進した模様だ。
▲2021年6月8日に公開されたライディング映像
なお試運転では、2016年一宮オープンの勝者でもあるエヴァン・ガイゼルマンがチームの一員としてPerfectSwellの性能をテストする。
同社のウェイブプールは世界に数施設あるが、今回日本では「Temporal Distortion」と呼ばれる新たな波の制御技術が導入される。「Temporal Distortion」は波の設計に関わるソフトウェアプラットフォームで、これまで以上に様々なレベルの波が生成できるようになるという。
同社サーフプログラマーのWilliam McFarland氏は「Temporal Distortionはハイパフォーマンス向けと練習向けの両者を全く新しい波の選択へと導く。波に変化する要素を加えることで、全体的にさらにダイナミックな波を創出する」と述べた。
その他の新機能としてはシステムのパワーレスポンスも強化されるとのこと。
静波サーフスタジアムPerfectSwellは、比較的都市部に位置するサーフタウンにおいて、比較的小さな設置面積であってもハイパフォーマンスなウェイブプールが設置可能であるということが実証されれば、世界的に展開が広まる可能性もある。
AWMの創業者であるBruce McFarland氏は「サーフィンが五輪で行われるのは全く初めてのことだ。これはサーフィンにとって転換点となる瞬間である。7月12日から静波サーフスタジアムPerfectSwell(R)は、五輪へと続くアスリートのトレーニング、エキシビション、イベントに一貫したプラットフォームを提供する」とコメントしている。
いよいよ開業が見えて来た「静波サーフスタジアム」。フルスケールでの波映像や、一般公開日など、続報を楽しみにしたい。
(THE SURF NEWS編集部)