東京五輪にてオリンピック競技としてデビューを果たしたサーフィン。なのですが、一般的なサーフィンの国際イベントとは異なる点がありました。
その点とは、ハワイアンサーファーがハワイ代表ではなく、アメリカ代表としてオリンピック出場となったところ。
サーフィンのワールドツアーであるWSL運営のCTでは、ハワイアンサーファーはハワイ代表としてハワイの旗を掲げているので、ハワイアンサーファーたちは違和感があったことでしょう。
と言うのも、アメリカ本土はヨーロッパ諸国の植民地を経て成り立ち、ハワイは海を渡ってきたポリネシアンがルーツと、同じアメリカ人と言っても祖先は全く違うためです。
また、サーフィンはハワイが発祥の地という説もあるほどハワイアンにとってスペシャルなスポーツである点も挙げられるでしょう(ペルーがサーフィン発祥の地との有力な説もあり)。
実際、ジョンジョン・フローレンスやカリッサ・ムーアは、米New York Times誌にアメリカ国旗を掲げることの葛藤を語っています。
このような事情から、2024年パリ五輪ではハワイのサーフチームの出場を認めてもらおうとのキャンペーンが始まりました。
同キャンペーンではオンライン署名を行い、その結果をもってIOC(国際オリンピック委員会)へと陳情を行うという流れとなります。
さて、パリ五輪と言うと興味深いのがイベント会場であり、フランスはフランスでもフランス領ポリネシアのタヒチです。
フランスでありながらハワイアンのルーツであるポリネシアであったりと、色々な事情が複雑に入り乱れています。
だからこそ、パリ五輪ではルーツを見直してハワイアンをハワイ代表として出場させることに大きな意味合いがあるのかもしれません。
現時点において、直近の目標に掲げている1,000名のオンライン署名に対し、すでに600名を超える署名を集めています。
オリンピックは国別出場ということで、いくら署名を集めたとしても民族やエリアを分けての出場は難しいと思います。
ですが、こういった機会だからこそルーツを振り返り、祖先を誇りに思っている事を声を上げているというわけなので素晴らしいムーブメントのように感じさせられます。
参照記事:Allow Hawai‘i Surf Team to Compete in the 2024 Summer Olympics | Change.org
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