サーフィン未経験者にサーフィン体験を提供するのではなく、サーフィン上級者さえも満足できる人工波を開発しようと誕生したモダンウェイブプール。
一般的に知られているモダンウェイブプールで言えば、2010年に初となるプロトタイプを発表したウェイブガーデン社が走りですね。
そのタイミングを追うかのようにスタートしたメディアが、サーフパークを専門とした「Surf Park Central(サーフパークセントラル)」。
そして近年では造波装置メーカーが増えてきたことなどを背景に、サーフパークセントラルがイベント「Surf Park Awards(サーフパークアワード)」の初開催を発表しました。
「Surf Park Awards」とは
サーフパークアワードは、サーフパークセントラルがサンディエゴ州立大学の非営利センター「The Center for Surf Research」と共に行う表彰イベントで、利用者の感想を測定する目的で行われます。
この結果は業界人にとって名誉になるだけでなく、一般の利用者にとっても、数々の造波装置メーカーやウェイブプールがあることから、多様な選択肢の中で悩んだ時にどれが良いのか決める指標の一つに成りえるとも言えます。
オンライン投票は2021年9月26日まで行われ、各部門の受賞は2021年10月5日にカリフォルニア州ラ・ホヤで開催される2021年サーフパークサミットで発表とのこと。
初開催となる今年の部門は3つあり以下となります。
A. Most Appealing Wave Technology
B. Most Appealing Deep Water Standing Wave Technology
C. Most Appealing Surf Park Destination
Aはモダンウェイブプールの造波装置メーカーの中で、最も魅力的な人工波を発生させるメーカーを選びます。
Bはスタンディングウェイブということで、モダンウェイブプールではなくシティウェイブ等フローライダー系ウェイブプールのメーカーを選出。
Cは最も魅力的なサーフパーク選びであり、サーフパークは基本的に各メーカーの造波装置をライセンス契約で利用しているものの、パークによって提携サーフボードブランドの違いなどテイストが異なるので、人工波以外の施設の充実度がポイントと言えます。
サーフツーリズムのカスタマートレンド調査
サーフパークアワードのタイミングに合わせて開催されるのが、5~10分程度の所要時間が掛かるサーフツーリズムに関するカスタマートレンド調査。
同調査の参加者は抽選によりサーフボードやウェイブプールの1時間無料券といった賞品が当たる可能性があります(ボードはアメリカ在住者のみ対象)。
所要時間10分程度の同調査の内容を実際にチェックしてみると、年齢、性別、婚姻状況、収入などといった結構突っ込んだ個人情報からスタート。
その後は回答者のサーフィン歴等に関する質問が続き、それから国内外のサーフトリップに関する内容に移行。
そしてラストの設問でサーフパークへと行き着き、各メーカーの造波装置の評価や環境面への取り組みなどに関する質問でフィニッシュ。
なぜかスタンディングウェイブに関する質問項目はありませんでした。
この調査は2021年12月6日まで行われ、その後賞品当選者が発表されるようです。調査は英語のみですが、殆どが選択式のため試しに回答してみても面白いかもしれません。
「The Center for Surf Research」について
サーフパークアワードの共同主催者「The Center for Surf Research」は、サンディエゴ州立大学にある世界初のサーフィンの研究センター。研究を通してサーフツーリズムのサステイナビリティを促進することが目的とのこと。
サーフィンを観光資源としているエリアが世界的に見てもそれほど多くないので、珍しい研究テーマと思われる方もいると思います。
なのですが、例えばサーフィン大国オーストラリアではホスピタリティやツーリズムといった学科で、ウェイブプール建設による経済効果などを観光学の一環として調査する事例もあるので突飛なテーマというわけではないと言えますね。
現時点ではニッチ産業のように思えるサーフ観光ですが、一般的な観光が飽和状態になればサーフィンに限らず今後はより専門性の高い分野への広がりは高いと見られます。
参照記事:Introducing The First Annual Surf Park Awards|Surf Park Central