Photo: WSL / TONY HEFF

カリッサ・ムーアなどがハンティントンビーチでサーフィン界の殿堂入りへ

ハリウッドの観光名所の一つとなっているエンターテイメント界で活躍した人物を称える、いわゆるエンタメ界の殿堂入りにあたるハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム(Hollywood Walk of Fame)。

そのサーフィン版となるのがサーフィン・ウォーク・オブ・フェイム(Surfing Walk of Fame)で、ハンティントンビーチにサーファーの手形やサインなどが飾られています。今年はUSオープンの開催期間に合わせ、9月23日にセレモニーが開催されました。

カリフォルニアの2つのサーフィン殿堂入り

サーフィンの殿堂入りは国やエリア別にいくつかありますが、カリフォルニアを拠点にした殿堂入りにも「Walk of Fame」と「Hall of Fame」の2種類があります。

一般的には「Hall of Fame」は殿堂入りした事実を指し、「Walk of Fame」は殿堂入りした有名人の手形やサインなどがある通りを指します。

しかし、サーフィン界においては、今回の「Walk of Fame」はジャックスサーフボード、「Hall of Fame」はハンティントンサーフ&スポーツが始めたものなのです。

この2つのサーフショップはハンティントンのメインストリートを挟んで向き合うように立ち並んでいるので、ライバル心などから2種類の殿堂が生まれたのかもしれません。

ジャックスサーフボードの「Walk of Fame」 Photo: hanna
ハンティントンサーフ&スポーツの「Hall of Fame」 Photo: hsssurf.com

デューク・カハナモクを称える「Walk of Fame」

さて、少し「Walk of Fame」の歴史を振り返ってみると、同セレモニーが行われることになったきっかけは、「現代サーフィンの父」として知られ、サーフィン伝道師として世界にサーフィンを伝えたデューク・カハナモクを称えるために1994年に始まりました。

殿堂入りの分野は6つに分けられていて以下となります。

■サーフィン・ウォーク・オブ・フェイム 受賞分野

Surf Pioneer:チャンピオンシップツアー誕生以前の時代にリスペクトされていたサーファーもしくはパイオニアとして知られた存在。年齢は50歳以上もしくはすでに他界したもの。

Surf Champion:ワールドチャンピオン経験者もしくはハンティントンビーチ開催のワールドイベント優勝者。

Woman of the Year:「Surf Champion」、「Surf Culture」、「Surf Pioneer」、「Local Hero」の分野でトータルで最も投票数を集めた女性。

Surf Culture:サーフカルチャー形成に一役買ったアーティストや関係者など。具体的なカテゴリーは、ファッション、アート、ミュージック、サーフ道具、文学、フィルム、フォトグラフィー、アクティング。上記分野において最も投票数を集めた人物を選出。

Local Hero:ハンティントンビーチに10年以上在住、もしくはハンティントン・ユニオン・スクール地区の学校卒業者。

Honor Roll:スポーツとしてのサーフィンとサーフカルチャーに功績したものの、他の5つの分野に該当しないもの。この分野だけはサーフィン・ウォーク・オブ・フェイム委員によって選出。

これまでに、ケリー・スレーター、ミック・ファニング、アンディ・アイアンズといった歴代チャンプが選ばれている一方、ブラジリアンストームといった若手世代はまだこれからのようです。

2021年はカリッサやダミアンが殿堂入り

ここから話を戻すと、昨年はコロナ禍によりセレモニーの開催は見送られたので、2年振りの開催となったウォーク・オブ・フェイム。

今年の殿堂入りは以下となります。

■サーフィン・ウォーク・オブ・フェイム 2021年殿堂入り
Surf Pioneer:マイク・テイブリング

Surf Champion:ダミアン・ハードマン

Woman of the Year:カリッサ・ムーア

Surf Culture:セシル・リア&ホッピー・スワーツ

Local Hero:マイク・ダウニー

Honor Roll:ティム・ブラウン&ロン・アブデルファタ

今年のカリッサは東京五輪での金メダル獲得に加え、殿堂入りの選考時はまだ4×ワールドチャンプでしたが、セレモニー時には5回に塗り替えての完璧なシーズンでの殿堂入りと言えますね。ちなみに彼女は2014年に「Hall of Fame」も授与されています。

意外なのが2×ワールドチャンプのダミアン・ハードマンで、1987年と1991年にワールドタイトルを獲得してから30年ほど経ての殿堂入りとなりました。

現役時代のダミアンは冷静沈着であったことから「アイスマン(殺し屋)」と呼ばれていたほどで、だからこそなのか今回の選出についてはSNSの通常投稿では一切触れていませんが…。遅い殿堂入りだったかったかもしれませんが、おめでたいニュースです。

World Surf Movies

参照記事:Jack’s Partner Inducted into Surfing Walk of Fame|Shop Eat Surf

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