今年4月、CT第2戦『Rip Curl Pro Bells Beach』で、フルタイムCTサーファーを引退したミック・ファニング。
ベルズビーチは、ミック自身がCTキャリアをスタートさせた思い出の地であり、その引退試合には世界中から視線が注がれていた。盛大な応援キャンペーンが実施され、会場は超満員。測り知れないプレッシャーの中、2位という成績を収め、世界に惜しまれながらツアー引退を迎えた。
しかし、ミックはジャージを脱いだその直後から、すでに次の人生を歩み始めていたことはご存知だろう。
2月の引退表明で「ツアーから離れ、見知らぬ場所で、これまでとは違う経験をして、自分のサーフィンを進化させたい」と語っていたミックは、引退試合の直後、計画も、旅程も、目的も持たず、飛行機に乗り込んだ。シンプルに“波があるらしい”という噂だけを頼りに、インドネシアの某所に向かった。
未開の地の波を求め旅をするRip Curlのプロジェクト「The Search」。
今回は、ミック・ファニングが新しい人生を探し(Search)始める、その歩みを捉えた。
ほとんどの旅は、終える度に、さらに良い旅を求めたくなるものだが、特に今回の旅はミックにその思いを残した。
あともう少し波が大きければ、もう少し天気がよければ、もっと時間があれば、もっと雨がすくなければ・・・今回の旅の心残りについてリストアップしたら、キリがないかもしれない。でもそれは決して悪いことじゃない。ある場所での仕事をやりきれなかった時、人は必ずその場所に戻るからね。それが、The Searchの美しいところでもあるんだ。The Searchは、つまり、より良い波を探し求める人生は、決して終わらない。
『Unfinished Business(終わらない仕事)』、それが今回のタイトル。
終わりは始まり、とはよく言ったもの。ミック・ファニングの新しい人生は、まだ始まったばかり。
Video: Nick Pollett Studio
Photos: Corey Wilson
(THE SURF NEWS編集部)