海岸環境の保護を目的とした国際環境NGO「SURFRIDER FOUNDATION JAPAN(SFJ)」は、湘南海岸に設置されている砂防柵について自然素材を使用することなどを求めて、神奈川県の県土整備局藤沢土木事務所に要望提案を行った。
湘南海岸に設置された砂防柵には、プラスチックでコーティングされた針金が多用されているが、劣化や破損によりそのゴミが砂浜に残されている現状がある。
針金が砂浜に残ることで海岸利用者がケガをする危険性があるほか、プラスチックが残留することでマイクロプラスチックによる海洋汚染の要因にもなりかねないとして、SFJは昨年4月に対策強化を求める要望書を県に提出していた。
提案を受けて、県では試験的に自然素材である「しゅろ縄」で編み込んだ竹の砂防柵を約50mに渡って設置しており、設置から1年弱が経過したこのタイミングでSFJは現場を視察した。
SFJは「残念ながら風雨に耐えられず切れたシュロ縄が散見されましたが、県の姿勢は評価すべきものであり、今後もプラスチックを使わない砂防柵の実験に取組みたいと前向きな話をいただきました」とコメント。
またSFJは県に対して、自然に優しい新たな砂防柵も提案。カーボンオフセットにも貢献し得る地元の間伐材の使用や、竹害対策にも役立つ孟宗竹を使用した施工方法などを提言した。今後は海岸で実証実験を行う予定、その成果に期待したい。
取り組みの詳細はSFJ公式サイトで。
(THE SURF NEWS編集部)