カリブ海の島国キューバ。1959年の革命以降社会主義の理念のもと、生活のあらゆる面が政府によって規制されてきた。海を渡って亡命する人が多かったため、サーフィンも規制の対象とされ、海でサーフィンをしているだけで警察の取り調べに合ったり、サーフボードを没収されたりしていた時代もあったのは過去の記事でも詳しく紹介している。
近年は少しずつ認められてきているが、政府が正式なスポーツとして認定していないため、政府の支援を受けられず、道具の輸入や海外の試合への遠征も困難なのが現状だ。
長年にわたりローカルサーファーの署名活動やプレゼンを通じてサーフィンのすばらしさを政府に訴えてきたが、変化には時間がかかる。しかし、東京五輪でデビューしたことでスポーツとしての認識が高まり、いよいよキューバ政府も重い腰を上げたようだ。
キューバのスポーツ体育レクリエーション庁(INDER)代表がサーフィンの認定と発展に向けて動き出したことを発表したことが複数のメディアで報道された。
「INDERは国際サーフィン連盟(ISA)と連絡をとり、近いうちに代表団を国内に招待する予定。キューバ政府がサーフィンを支援する意思を固めた」
ーキューバのスポーツ体育レクリエーション庁代表エリック・グティエレス
最近サウジアラビアが110番目の国としてISAへ加入した。キューバは111番目になるだろうか?
サーフィンが正式に認定され、政府の支援を受けられるようになればサーフボードやワックスなどの必需品も手に入りやすくなるだけでなく、次世代サーファーの育成やサーフィン大会の開催、またキューバ代表として海外試合への参加も可能になるだろう。数々の困難を乗り越え、粘り強くサーフィンを続け来たキューバのサーファーの熱意があれば、きっとすぐに世界でキューバン・サーファーの活躍が見られるだろう。
ケン・ロウズ