マウイ島では使い捨ての格安ボディボードが条例で禁止へ

大手量販店などで販売されている格安のボディボード。

海水浴シーズンの夏になると、ボディボード体験ができる手軽な遊び道具として日本でも購入する方は少なくない事でしょう。

ですが、サーフィンの聖地とも言われるハワイのマウイ島では、この格安ボディボードの販売やレンタルなどを禁止する新たな条例が2022年8月9日から施行されることになりました。

この条例はプラスティックバッグの禁止と同じく、海洋生物や環境問題を考慮した上で議論が交わされるようになった内容で、問題となったのは大きく分けて2点なのですが切り分けて論じる事ができません。

ポリスチレン素材の耐久性と有害性の懸念

まず、格安ボディボードに使用されている素材はポリスチレンで、ポリスチレンは耐久性が劣っていることから破損しやすく、フォームの欠片が海やビーチで広がっていくとか。

そしてポリエチレンフォームは毒素を含むので、それ自体でも海という環境において健康有害性があります。

さらには、フォームの欠片を海洋生物が誤って摂取し、餓死や栄養失調で死んだ亀や海鳥の存在がマウイ島では報告されているそうです。

そこで破損しやすくハワイでは使い捨て商品という位置付けの格安ボディボードの販売とレンタルを禁止する条例が、マウイ島で施行されることになりました。


さて、なかなか過激な方向転換であり、現状においてはマウイ島のみですが、条例として施行させることになったと言うニュース。

今までは問題なかったものを禁止にすると言う事は、そのビジネスを手掛けていた業者の梯子を外すに等しい行為ですから、それなりの抵抗がありながらも実行に踏み切った事でしょう。

難しい点として、格安ボードであればボディボードを試して見ようと思う方も一定数はいたと思うので、ボディボードを知ってもらう門戸が少し狭まったとの見方もできます。

環境や生態系を考えたら一刻を争う事態だったのかもしれませんが、施行まで押し切った政治力の強さを感じてしまいます。

(World Surf Movies)

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