Owen Wright Retirement
© WSL / Masurel

オーウェン・ライトが次のCT第4戦ベルズビーチを最後に引退

3月21日、オーウェン・ライトがCT第4戦『2023 Rip Curl Pro Bells Beach』を最後に、サーフィン競技からのチャンピオンシップ・ツアーからの引退を発表した。

10年以上に渡りCTの常連だったオーウェンは今年33歳。サーフィン一家に生まれ、若い頃から輝かしいジュニアキャリアをスタートした彼は、2010年のCT資格を得る前にもオーストラリアのプロジュニアシリーズを完全制覇するなど、数多くの注目すべき成果を達成してきた。CTでは過去4度の優勝を誇り、ツアーランキング最高位は4位。

ここ数年ツアーでは苦戦しており、昨年はついにミッドシーズンカットを強いられたが、2020東京オリンピックではオーストラリア代表として出場。銅メダルを獲得して世界から注目を浴びた。

2020東京オリンピックでは、イタロ・フェレイラ、五十嵐カノアに続く銅メダルを獲得 Photo: THE SURF NEWS / Yasuma Miura

2015年、パイプラインでフリーサーフィン中に負った大怪我から長いリハビリを経て競技に復帰し、2022年までCTレベルで活躍したが、家族やコーチ、医療チームと慎重に検討した結果、競技から離れることを決意。

彼のInstagramでは、大怪我からのカムバックから今後について思いを綴っている。

2015年に外傷性脳損傷(TBI)を負った後、自分自身と世界に、自分はまだ偉大になれると証明したい、この生命を脅かした出来事を克服したい、という思いが、私の回復を後押ししました。それから8年経った今、挑戦と達成を経て、私はその目標を達成したことを知り、幸せに振り返ることができます。今日、私は、サーフィンの最高レベルの競技から引退するというニュースをお伝えします。私の最後のイベントは『Rip Curl Pro Bells Beach』となり、私のキャリアを祝福し、長年にわたって支えてくれたファンや友人、家族に感謝できることを楽しみにしています。

最近の頭の怪我や脳しんとうの経験から、地球上で最もヘビーな波で競技をすることは、私の長期的な健康にとってもはやベストなことではありません。私はキャリアを通じてこのようなコンディションで優れた成績を残してきましたが、私の病歴を考えると、この種のサーフィンに伴うリスクは、私のような立場の人間にはあまりにも大きいのです。

サーフィンを完全に引退するわけではなく、ヘビーな波のサーフィンをやめるだけです。私はサーフィンを愛し、このスポーツのおかげで今があることに感謝しています。

私の人生のこの新しいチャプターでは、脳の健康のために声を上げ、キャリアを通じてTBIや脳しんとうを受けたあらゆるスポーツのアスリートの擁護者になることを望んでいます。

WSLとRip Curlは、今年の『Rip Curl Pro Bells Beach』のワイルドカードを私にオファーしました。私の家族や医療チーム、そして私は、この大会が最後に出場する場所としてベストであることに同意し、この機会を与えてくれた長年のスポンサーであるRip Curl、その他Allianz Australia、Dometic、Ocean & Earth、DHD、そしてWSLに対し、私のキャリアを通して与えてくれたすべてのサポートに感謝しています。

オーウェン・ライト

オーウェン・ライトの引退試合となる、WSL CT第4戦 Rip Curl Pro Bells Beachは、現地4月4日より開幕する。

(THE SURF NEWS編集部)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。