サーフィンのコンテストシーンにおいて現在大きな話題となっているガブリエル・メディナによるジャッジ批判、そしてWSLのエリック・ローガンCEOによる反論。
直接の引き金となったのは、先日終了したサーフランチプロのファイナルでのイタロ・フェレイラのスコアリングについてですが、実際には根深い問題のような。
ジャッジ批判と言うとどうしてもネガティブな印象だと思いますが、今回のやり取りを見ているとネガティブな要素もあるのですが、将来に向けてポジティブな面もあるような気がします。
ここからは両者による主張をお届けします。
ガブリエル・メディナによるジャッジ批判
ガブリエルが訴えている内容のポイントを搔い摘むと以下となります。
*ブラジリアンサーファーに対するスコアリングが不当
*ジャッジ基準に一貫性が見られず、サーフィンの進化を阻害している
*スコアリングについて説明を受ける事はできるものの不明瞭なケースが多い
エリック・ローガンCEOの反論
WSLサイドのトップとなるエリックCEOによる公式サイトからの反論内容の要約は以下となります。
*ジャッジ基準は常に一貫していて明朗である
*サーフランチプロ出場の全アスリートはいつでも質問をする機会があった
*適切なプロセスを踏まずにSNSで不満を漏らす事は容認できない
*公となるSNSでのジャッジ批判により殺害予告といった脅迫が蔓延り憤慨
エリック・ローガンの声明全文
周囲の反応
両者の主張は互いに実例を出すことなく平行線上にあるので、おそらく公には何の進展も見られずに終わることになると見られます。
特にエリックCEOに関しては、もしもガブリエルの主張を受け入れる事になれば過去の結果、強いてはワールドタイトルについても影響を及ぼす恐れがあります。
そんな事の重大さを考えると、組織を守るためにも何があろうと「スコアリングについて一切の曇りや間違いはない」と突っぱねるしかないためです。
ただし、上記の意見はあくまでも部外者である私の見解であり、興味深いのはすでにWSLのしがらみから離れて忌憚ない意見を発信できる元CTサーファーが今回の件を受けどのように感じているのか。
実際にCTイベントに出場経験のあるサーファーの意見が、最も信憑性が高いと言えるので。
今回のガブリエルの投稿に寄せられたコメントを一部ピックアップして見ます。
まずは同じくブラジリアンのイタロ、フィリペ・トレド、エイドリアーノ・デ・スーザ、ジョアン・チアンカ、ヤゴ・ドラなどは賛同の意を示しています。
ブラジリアンが虐げられていると言う内容であるから、ブラジリアンCTサーファーが賛同するのは当然なので、他の国籍のサーファーの意見もチェックして見ましょう。
*ジュリアン・ウィルソン
WSLはサーファーへの敬意を失ったら終わりだよ。ベストなショーを提供するためには大金は稼げないかもしれないけど*ジェレミー・フローレス
言葉が出ないね。この件に関して僕の思いはすでに分かってるとは思うけど。*ミシェル・ボウレズ
その通り*ジャック・フリーストーン
最高。その調子で行ってくれ!*テイラー・ノックス
絵文字(賛同の意味を表したもの)
上記コメントは、ブラジリアンが虐げられていた点、またはジャッジ基準の不明瞭な点のどちらに賛同しているのかは不明。
ですが、ガブリエルの意見が自分本位の突拍子もないものではなく、同じ舞台に立っていた、もしくは立つ一部サーファーが似たような感覚を持っていたとも理解できます。
また、ファイナルを争ったグリフィン・コラピントとイタロ・フェレイラのライディングを、具体的なターン数やバレルタイムを比較する投稿なども存在し多くの「いいね!」を集めていました。
さて、今回の件で普通に考えればガブリエルはWSLから処分を受ける事になるはずなので今後の動向に注目です。
言って見れば、WSLは今回の元凶はガブリエルのSNS投稿であり、怒りをあらわにしているわけですから。
個人的にはWSLは今回は体裁を保っただけで、裏で政治力が働いて不問になる可能性が高いと思いますが果たして。
公式サイト「WSL」
(World Surf Movies)