2023年パラ・サーフィン世界選手権の日本代表 Photo:ISA/Sean Evans

2028年ロス・パラリンピックでサーフィン不採用、ISA「失望」と声明

2028年に開催されるロサンゼルス五輪組織委員会が、パラリンピックの新競技として、パラ・サーフィンを提案しないことを決定し、国際サーフィン連盟(ISA)が「失望」を表す声明を発表した。

ロスでは、ISAによるパラ・サーフィン世界選手権がたびたび開催されており、昨年は、千葉県いすみ市の池上凪が金メダルを獲得するなど日本選手が活躍。パラリンピックの新競技としての初採用に期待が高まっていたが、ロス五輪組織委が国際パラリンピック委員会(IPC)に開催を提案したのは、パラ・クライミングのみだった。

2032年ブリスベン大会目指す

ISAは「ロス五輪組織委がパラ・サーフィンを含める提案をしなかったというニュースを受け、失望している」とした上で、新競技としての検討段階で、パラ・サーフィンの価値を示す機会を与えてもらったことへの感謝を示した。

また、引き続き、世界選手権などを通じて、パラ・サーフィンの世界的発展に尽力するとして、2032年開催のオーストラリア・ブリスベンでのパラリンピックで、新競技としての初採用を目指すという。

ISAのフェルナンド・アギーレ会長は声明の中で「もちろん、とても失望している。しかし、サーファーは波を逃したら、ターンし、次の波を求めて懸命にパドルする。だから、今、私たちは、ブリスベン大会への望みを胸に、同じようにする」と決意。「パラ・サーファーは、希望と人生の困難に打ち勝つ力に満ちた素晴らしいアスリートたちだ」と称賛し「オリンピックでのサーフィン(初採用)のケースのように、パラ・サーフィンがパラ・スポーツ最高峰のステージであるパラリンピックにふさわしいと、主張し、推進し続けていく」と強調した。

2023年パラ・サーフィ世界選手権で金メダルを獲得した池上凪さん Photo:Kenji Iida

新競技の提案はパラ・クライミング

IPC総会は昨年1月、ロス・パラリンピックとして、陸上、水泳、ボッチャ、ゴールボールなど22競技の開催を決定。加えて、新競技の追加について、ロス五輪組織委に検討を打診していた。

ロス五輪組織委によると、組織委による新たなパラ競技の提案は初めて。世界や米国内での競技人口、国際大会の実績やコストなどを勘案し、パラ・クライミングを選んだ。新競技の採用は6月26日のIPC総会で正式決定する。ロス・パラリンピックは2028年8月15~27日に開催される。

(沢田千秋)

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