今や海、湖、川などといったフィールドにおいて、ウォーターアクティビティの一つとして確固たる地位を築いたと言っても過言ではないSUP(スタンドアップパドルボード)。
ヘルシーライフスタイルという時代の流れにも沿った事から人気が加速したとも言えるSUPですが、エクササイズの要素がフィーチャーされながらも、近年ではエクササイズとは真逆に見える電動SUPが増えている事実もあります。
そこで電動SUPをリリースしている「SIPABOARDS(シパボード)」をフィーチャーし、電動SUPとはどのようなものであり、開発に至った経緯などといったストーリーをシェアします。
電動ウォータークラフトのイメージ
サーファーであれば「電動」という言葉を聞くだけで、自力ではないことから拒否反応を起こす方もいると思います。
実際にビッグウェイブの世界では、自力による「パドルイン」とジェットスキーのパワーを使った「トウイン」の2種類は、はっきりと線引きがなされるほどで、メジャーなのはパドルインですし。
要するに機械の力に頼る事は少しズルをして王道を外れたイメージもあると思いますが、シパボードによる電動SUPの誕生秘話に関しては全くの別物です。
シパボードの電動SUP
スロバキアでセバスチャン・シタールが創業したシパボード。
セバスチャンが創業した理由は、奥さんと娘がSUPでパドル中、強烈なカレントに掴まり危うい経験をした事に起因します。
その経験から初心者は無意識のうちに危険な状況に陥るリスクがあるので、そのリスクを乗り越える事が出来るウォータークラフトを思案した末、誕生したのが電動SUPモデル「All-Rounder Drive(オールラウンド・ドライブ)」とのこと。
オールラウンド・ドライブとは
オールラウンド・ドライブは電動SUPであり、自動膨張可能となるインフレータブルクラフトということで、持ち運びが便利なアイテム。
サイズは長さ11フィート、幅35.4インチ、厚み6インチ、310リッター(膨張時)で、ジェットエンジンと内蔵コンプレッサーが付随します。
重量はエンジン非搭載時は8.25キロ、搭載時は最大で14.25キロであり、バッテリーは144ワットで、1~4時間のライドが可能となり、最大速度は5キロ。
内蔵コンプレッサーを使ってSUPを完全に膨らませるには6分かかるそうです。
オールラウンド・ドライブの耐久性について
オールラウンド・ドライブが電動SUPである理由は、あくまでも予期せぬ事態を乗り越えるためのライフジャケットのようなイメージです。
言ってみれば、ビッグウェイブサーファーにとってのインフレータブルベストに近いようにも思えます。
つまり、電動を駆使してアクティビティを楽しもうというものではないのですが、やはり気になるのはどのような状況でも使えるのかという限界点。
実際に荒れた海面でのテストも行われていて、うねった海面であろうと耐久性ならびに安定性を確認できたと言います。
ただし、同商品はあくまでもクルーズ向けであり、波に乗る目的のSUPではない点について明言しています。
SUPの楽しみはやはり自身のパドルで移動することがメインという趣旨であるわけです。
オールラウンド・ドライブの値段
安全面について最大限のセーフティネットを張ったと言える同商品ですが、気になるのはどのくらいの価格帯であるのかという点。
実際に公式サイトでネット販売が行われていて、オールラウンド・ドライブは2,290ユーロ(現為替価値で約33万円弱)。
ただし、上記値段にはパドルとリモコンは付属してなく、カーボン製のパドルは299ユーロ、パドルに取り付け可能なリモコンは129ユーロなので、計428ユーロ(現為替価値で約6.1万円)が別途かかります。
ちなみに、発送は世界中に可能との事なので日本にも発送してもらえるはずですが、国別の配送料金に関する記載はありませんでした。
公式サイト「SIPABOARDS」
(World Surf Movies)